大腸がんを生きる仲間

癒しの音楽紀行

第1回 屋久島

●樹齢千年以上の屋久杉−静寂の森に想う

 まずは、簡単に自己紹介から。
 「小さな花」という曲をご存じですか。約50年前のザ・ピーナッツのヒット曲ですが、僕は、テレビで故・鈴木章司氏がクラリネットで生演奏するのを聴いて非常に感動し、音楽をやりたい、クラリネットを吹いてみたいと思うようになりました。クラリネットの音色に感応したのでしょうね。当時、僕は中学3年生。家はそれほど裕福ではなかったので、夏休みにラーメン屋で皿洗いのバイトをして、8500円のクラリネットを手に入れました。

 高校3年生の時、「僕は何が好きか? 音楽だろ? 勉強なんかしている場合じゃない!」と受験勉強をやめ、プロのミュージシャンになることを決意。それでも「音楽では食べてゆけないかもしれない」との考えが頭をよぎり、万が一の事態に備え、蒲田・日本工学院に進学しました。
 20歳の時、いよいよプロの道に進むことになり、採用された浅草のキャバレーへ。ところが、客が演奏を聴かずにホステスとチークダンスをしているのをみているうちに、「ここは仕事を、音楽をしにくるところではない、客として来るところだ」と翻意。早くも万が一の切り札を使い、就職活動をして、日本ビクター(株)に入りました。26年間の勤務後、90年に退職し、95年から日本全国を旅して音楽を作る「音楽紀行」シリーズを制作しています。


紀元杉(車で行けます。)
 さて、今回の旅先は、世界自然遺産にも登録されている「屋久島」。本土最南端・鹿児島県佐多岬から南南西へ60km。周囲132km、面積500km2の屋久島は、コバルトブルーの海から空に突き出すように浮かんでいます。この島の主役は屋久杉。推定樹齢7200年といわれる日本最古の縄文杉、推定樹齢3000年の紀元杉をはじめ、樹齢千年を超える巨大な屋久杉がそこここに林立しています。島の中央部には、九州最高峰の宮之浦岳(1935m)を筆頭に、「洋上アルプス」と呼ばれる高峰が連なっており、ハイビスカスなどが咲き乱れる亜熱帯の海岸部から山岳部の亜寒帯、亜高山帯まで、様々な気候・植生がみられるのが屋久島の魅力です。また、屋久島は、「1か月に35日雨が降る」といわれるほど雨が多く、渓谷と滝に恵まれた水の島でもあります。


ヤクシマフヨウ
(ヤクシマフヨウの咲く季節でした。)

千尋の滝
(左側の巨大な一枚岩が売り物。)



CDのジャケット写真
(足下が少々怖かった。)
 7200年という時の流れを想像できますか。悠久の時を生きてきた縄文杉に比べれば、人の命、人の営みなんて、それこそ蚊が止まった程度でしかないように思えます。ジャケット写真は、島のシンボルである屋久杉の上で撮りました。三脚を立ててカメラのセルフタイマーをセットし、そろそろと後ろ向きに下がって撮ったものですが、足下が少々怖かったです。シャッターが下りた瞬間、被写体がいなくなっていた、なんていう漫画みたいなことにならずに、よかったですよね。鳥や動物の鳴き声、清流のせせらぎ、波の音など自然音をふんだんに取り入れたこのアルバムは、屋久島の自然から、たくさんの「気」をもらって生まれた自信作です。

 話は変わりますが、僕は、2005年2月2日、国立がんセンターで直腸がんの手術を受けました。入院時に風邪をひいており、コンコン咳をしていたら、(院内感染を)心配した看護師さんが慌てて僕を相部屋から個室に移してくれました。手術が終わって目覚めた時、身体中の穴に管が通されていました。ただでさえ傷口が痛いのに、咳が容赦なく出てくるわけですから、痛みで気絶しそうになったこともあります。手術前には風邪はひかないようにした方がいいですね。当たり前ですが。

 一番辛かった時に、音楽紀行のCDを聴きました。そして「これは癒されるな、すごく気持ちがいいな、痛くても、辛くても、気がまぎれるな」ということを発見したのです。手術は辛い経験でしたが、初めて自分の音楽の癒し効果を実感でき、自分の音楽は間違ってなかった(!)と確信しました。本サイトでは、試聴やCDプレゼントなどの企画(CDプレゼントは終了しました)もあります(↓)。僕の音楽が、同じ病気で辛い思いをしている人たちの癒しに、少しでも役に立てれば嬉しいです。


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