大腸がんを生きる仲間

癒しの音楽紀行

第2回 高千穂

●高千穂に息づく神々を感じて

 自分はがんにならない。僕だけは絶対にがんにならない――なんの根拠もなく、そう確信しておりました。アホです。
 手術の半年〜1年前くらいから、兆候はありました。血が便に混じる「血便」というやつです。ただ、他には何も症状がないものですから、放置していました。血便も続くと、どす黒い色にも慣れてしまい、「ウンチってこんな色していたよな」なんて思っていました。

 もう15年以上前になりますが、実は、昔からお世話になっていた友人を、直腸がんで亡くしています。その人も「便器が真赤になるぐらいに血が出るんですよ」なんて言いながら、平気な顔をして僕とお酒を飲んでいました。検査をしたら、即入院・手術となり、4ヶ月後に一時退院しましたが、その2か月後に再入院し、そのまますぐに亡くなってしまいました。そうした友人を持っていたにも関わらず、それが僕と全くつながらず、そのまま放っておいたのです。
 音楽紀行でピアノを弾いてくれている、音楽パートナーの石塚まみさんには、時折、「便に血が混じっちゃってね」という話はしていました。あるライブの打ち上げの後で、いい気分になって「便に血が混じってるけど、背骨がちょっと曲がってるからだと思う。整体に行って背骨を治してもらえば良くなるんじゃないかな」などと、並んで歩きながら能天気なことを言っていたら、突然、石塚さんがぶち切れました。「バカなこと言うな! ふざけんなー!!」って。大爆発して、渋谷の宇田川町の坂を、駆け下って行ってしまいました。ホント、火を吹くかと思ったくらい、すごかったです。さすがにこのままではすまないなと検査を受け、そして、がんを告知されました。文字通り「ガーン」でした。


四季見原から(神々の里を望む)
 さて、閑話休題。今回の旅先は高千穂です。神々の里、神武天皇の生誕地ともいわれる高千穂は、九州の中央部、宮崎県北部の自然の中にあります。国の名勝天然記念物の高千穂峡、美しい山波や雲海を一望できる国見ヶ丘などの自然に恵まれ、天岩戸神社をはじめ数多くの神社や史跡がある高千穂は、神々と人々が一体になった豊かな里です。


高千穂峡(真名井の滝)

国見ヶ丘にて(高千穂に朝が来る)



神の光の演出
 ここには何かがある――何もないところに神話伝説は生まれてきません。高千穂を歩くと何やらとてもありがたい気持ちになってきます。夜神楽が毎日のように行われますが、夜神楽にはストーリーがあり、音楽があり、舞があり、エンタテインメントの原点ともいえます。それが大自然と一体になり、高千穂独特の雰囲気を醸し出します。
 自然と神々を媒介に、僕の中から生まれたのが、高千穂のCDです。他の人が作れる音楽は他の人に任せておけばいい。僕は、僕でなければ作れない音楽を作り続けていきたいと思います。聴く人の心に届きますようにと、祈りを込めて。

石塚まみさんからのエール


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