

1964年、福岡県生まれ。早稲田大学で競走部に所属。箱根駅伝では1年から4年連続で5区の「山上り」を担当。3、4年時には連続で区間賞を獲得。卒業後はリクルートに入社し、「リクルートランニングクラブ」を設立。社会人としてマラソンを続ける。92年には同クラブのコーチに、95年には監督に就任し、強豪クラブの基礎を築く。2002年にNPO法人「ニッポンランナーズ」設立し、代表に就任。プロのランニングコーチとして市民ランナーからオリンピック選手まで幅広く指導。駅伝やマラソン中継の解説者としても活躍。著書に『金哲彦のマラソンレース必勝法42』(実業之日本社)、『金哲彦のウォーキング&スローラン』(高橋書店)など多数。

金 哲彦さんの長距離ランナー、マラソンランナーとしての軌跡が、金さんの言葉で語られています。アスリート時代の軌跡。早稲田大学競走部での恩師、中村清監督との出会い。箱根駅伝、5区山のぼりでの大活躍。そして、恩師との決別。さらに、その後の指導者としての歩みと、がん患者となってからの心の葛藤と生き直し。それらが、ぎっしりと詰まった良書です。
「生き直し」と書きましたが、金さんががんを患って以降の気持ちの落ち込みと、身体的にも精神的にも復活再生を果たしていく過程には、思わず引き込まれてしまいますし、大きな心のうねりを感じます。
走ることが好きで、走ることしか知らなくて、走ることしかできなかった人間が、走ることができなくなり、でも走りたくて、本当に走り始めてしまい、やがて、フルマラソンを完走する。シンプルですが、強い人間の意志の力を感じ取ることができる著作です。
