大腸がんを生きる仲間

がんと向きあう こころの灯

こころの専門医からのアドバイス
1. 診断を受けたとき

Q

がんと告知され、頭の中が真っ白になって何も考えられません。これからどうしたらよいでしょう。

A

がんと告知されてから2〜3日間は、ちょうど直下型地震に襲われたような衝撃を受けると例えられます。何も考えられなくなってしまい、医師の説明も十分理解できないのが普通です。その後も、何も決められない、不安で眠れないという状態が続きますが、多くの方は徐々にこころの整理をつけていき、2週間ぐらいで元の状態に戻ります。ただし、こころの中は余震が続いている状態で、2〜3ヵ月は動揺した状態が続き、文字通りの気持ちの復帰という状態になるには2年から3年かかるといわれています。

がんを告知された衝撃で、どうしたらよいか分からないという時には、その気持ちを身近な人に話してみるとよいでしょう。家族、友人、職場の人、サークル活動をされている方はそこでというように、ご自分が所属されている生活空間でそばにいる方に、不安に思っていることやこころの動揺を聞いてもらい、気持ちを楽にすることが、自分を取り戻す助けになると思います。

Q

どうして自分だけがこんな病気になってしまったのでしょうか。

A

がんという生命の危険さえある病気に罹ったことが分かった時、人は自分のこころを守るため、「何かの間違いではないか」と否認したり、「どうして自分だけが」と怒りを感じたり、「これまでの自分の生活が良くなかったからがんになった」と自責の念にかられたりします。これは多くの患者さんが体験する自然なこころの動きです。このような気持ちになったことを否定したり、「自分が弱いからこんな気持ちになるのだ」と思ったりする必要は全くないのです。

このような時には、こころの動揺や不安な気持ちを身近な人に聞いてもらうだけで楽になることがあります。またこれまでの人生で、「転職したが家族を立派に養ってきた」「子育てをしっかりやった」など、その人なりに危機を乗り切った経験を思い出してみましょう。「今度の危機もきっと乗り切れる」と前向きに考えることも、気持ちを楽にしてくれます。

Q

担当医の説明が頭に入らず、自分の病気についてよく分かりません。

A

担当医とのコミュニケーションは、治療を続けていくうえでとても重要です。しかし、こころの動揺が続いている間は、説明も頭に入りにくいと思います。そこで、担当医の説明を受ける時には、家族や友人の方などに同席してもらえば、ひとりに比べ説明を落ち着いて聞けるうえ、説明の後で同席してくれた人と内容の確認もできるでしょう。またメモを取ったり、許可がとれれば録音したりすることも、後で説明の内容を整理する時に役立ちます。

さらに、説明の途中でも分からない点があれば、遠慮せずに質問しても構いません。その場で思いつかなくても後で疑問に思うことが出てきたら、次の診察の時に尋ねてみましょう。