3.治験(その2)

がん治療の一環として位置づけられる抗がん剤の治験

一般薬の第Ⅰ相臨床試験は健常者が対象(一般薬でも第Ⅱ相、第Ⅲ相の臨床試験は患者が対象となります)ですが、抗がん剤の治験ではがん患者を被験者とします。標準的な治療が確立されていないがん種や進行がんにおいては、抗がん剤の治験は治療の一環と考えられます。

既存の薬剤と比較して、強力な効果が期待できる新しい薬剤を活用するという意味でも、治験に参加する意義は非常に高いといえます。

第Ⅲ相臨床試験は、生存期間をエンドポイント(評価項目)とした標準的治療の確立を目的としていますが、抗がん剤の第Ⅲ相臨床試験では、市販後に実施されることが認められています。いかに新薬としての抗がん剤の開発・臨床使用が喫緊の課題であるかが伺われます。

治験参加の利点

治験に参加する利点は次のとおりです。

  • (1)
  • 従来、薬剤がなかった疾病の場合では、新薬による治療を受けることができます(製造販売後臨床試験の場合は異なります)。
  • (2)
  • 経験豊富な治験担当医師による丁寧な診療が提供されます。
  • (3)
  • 一般の診療と比較してより詳細な検査が行われるため、患者は自分の病態を詳しく理解することができます。
  • (4)
  • 治験薬の費用や治験薬を服用している(他に注射などによる治療を受けている)間の検査費用の負担がありません。これらの費用は治験を主導する製薬会社が負担するため、治験参加者(患者)は支払う必要がありません(製造販売後臨床試験の中には、試験薬の費用や試験期間中の検査費用の負担がある試験もあります。また、前期観察期間、および後期観察期間は保険外併用療養費支給の対象とはなりません)。

「先進医療」と「治験」の医療費負担面の相違

先進医療では先端の医療技術による治療を、治験では新薬による治療を、患者の自由意志によって保険適用外の診療を受ける点は同じであり、いずれも保険外併用療養費が支給されます。

先進医療の場合は、基本的な部分以外の先進的医療技術に関する費用が患者の全額負担となりますが、治験の場合は、治験薬の費用や服用期間の検査費用は治験を主導する製薬会社が負担するので、治験では患者の負担が少ないという医療費の面において大きな違いがあります。

治験

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