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  • 支払いについて(入院と外来の違い)- 6.ポイントの解説

6.ポイントの解説

その1:高額な医療費の負担を助成する高額療養費制度があります。

入院ではほとんどの場合で医療費は高額になりますが、外来診療の医療費も、慢性疾患で長期に通院したり、複数の疾患を併発して診療を受けたりする際には高額になります。

現在、高額医療費による患者負担の増大を軽減するために、「高額療養費制度」が制定されて医療費の助成が行われています。健康保険加入者(被保険者)はだれでもこの制度を利用することができます。

その2:高額療養費制度と医療費控除は違う制度です。

高額療養費制度の運用は、被保険者自身が加入している保険者(国民健康保険、健康保険組合、共済組合、協会けんぽ、船員保険など)の管轄であり、保険者に申請して助成(保険給付)を受けます。対象となるのは保険適用の医療費で、医療費は月別、病院別、入院・通院別に計算する必要があります。保険適用外の費用は対象となりません。手続きは管轄の保険者によって異なります。2年以内であれば、過去の高額医療費の分も申請できます。

医療費控除は、確定申告で税務署に申請するものであり、1世帯で1年間に医療費の支払いが10万円以上(一部例外あり)あった場合に申告できる制度です。手続きは、1年間の医療費控除の明細書を税務署に提出して行います。医療費控除の対象は、保険適用外の医療費や交通費も含まれます。注意すべき点としては、高額療養費で還付された分は、医療費から差し引く計算となることがあげられます。

両者の大きな違いとしては、(1)申請先(保険者 vs 税務署)、(2)還付金(保険 vs 税金)、(3)申請の時期(随時 vs 翌年2/16〜3/15)が挙げられます。

高額療養制度と医療費控除

その3:高額療養費制度は、入院時、外来時ともに利用することができます

高額療養費制度は、医療費の高額が見込まれる入院時だけではなく、外来時でも高額医療費が発生した場合に利用することができます。

その4:高額療養費制度の助成のパターンは2つあります。

高額療養費制度における助成(保険給付)は、(1)診療時において、「限度額適用認定証」を提出して医療そのものの給付を受ける方法(高額療養費の現物給付化)と、(2)治療にかかった費用が後で支給(還付)される方法とがあります。

その5:高額療養費制度の1つめのパターン(「限度額適用認定証」がある場合)は、高額療養費の現物給付化という形で提供されます。

70歳未満の患者であらかじめ医療費が高額になることが予測された場合は、事前に保険者から「限度額適用認定証」の交付を受けて病院に提出すると、1ヵ月ごとの窓口負担は3割負担(小学校就学前は2割負担)ではなく自己負担限度額で済むという、高額療養費の現物給付化が行われます。70歳以上で、一般区分(156万円~約370万円)の方、および現役並み(年収約1,160万円~)の方の高額療養費(公費負担分)は医療費からすでに差し引かれ、医療機関からは自己負担限度額のみが請求されるため手続きの必要はありません。

また、住民税非課税世帯の方と現役並み「(年収約370万円〜約770万円)、(年収約770万円〜約1,160万円)」の方は治療を受ける前に、あらかじめ「限度額適用認定証交付申請」が必要となります。

入院、外来ともに「限度額適用認定証」は利用できます。

その6:高額療養費制度の2つめのパターン(「限度額適用認定証」がない場合)は、病院に法定自己負担限度額を超えて支払った分が支給(還付)されます。

入院時、外来時にかかわらず、そのつど診療費用の定額の自己負担額を支払いますが、1ヵ月間(1日から月末までで、月をまたいでの適用はありません)の診療費負担額が限度額を超えている場合には、高額療養費支給を申請することで、約3ヵ月後に、超過して支払った金額が支給(還付)されます。

その7:高額療養費制度の2つめのパターンには追加の適用ルールがあります。

(1)同じ世帯で合算して自己負担限度額を超えた場合、(2)1年間(直近の12ヵ月)で、自己負担限度額を超えた月が3回以上あった場合には、自己負担限度額はさらに低額となります。

その8:高額療養費制度は保険者の種類によって助成の違いがあります。

高額療養費制度の様々な手続き、助成の内容などについては、基本的なところ以外には保険者によって違いがあるので、制度の利用を考える、あるいは申請する場合には、あらかじめ各保険者に疑問点等も含めて確認する必要があります。

「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から):厚生労働省保険局」より作成
国税庁ホームページ No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)より作成

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