
ホーム > 医療関係の皆さま > レイアタッツ®カプセル150mg、200mg
このページは、2005年9月改訂のレイアタッツ®製品情報概要に基づいて作成したものです。
使用上の注意
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)心伝導障害(房室ブロック)のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
(2)軽度~中等度の肝障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、肝障害のある患者では高い血中濃度が持続するおそれがあるので注意すること。また、B型・C型肝炎の患者又は投与前に著しいトランスアミナーゼの上昇が認められた患者では、トランスアミナーゼがさらに上昇する又は肝機能が悪化するおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態をモニタリングすること。](〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)
(3)血友病及び著しい出血傾向を有する患者[HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の血友病患者において突発性の出血性関節症をはじめとする出血事象の増加が報告されている。]
(4)高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
2.重要な基本的注意
(1)本剤の使用に際しては患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
1 )本剤はHIV-1感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV-1感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体的状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
2 )本剤を空腹時に服用すると血中濃度が低くなり抗ウイルス作用を発揮できないことがあるため、本剤を食事中又は食直後に服用すること。
3 )本剤投与開始後、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりせず、処方された用量を守ること。
4 )本剤は一部の薬剤と相互作用を起こすことがあるため、処方せんの有無にかかわらず服用している薬剤をすべて担当医及び薬剤師に報告すること(「相互作用」の項参照)。
5 )本剤を含む現在の抗HIV療法が、性的接触又は血液汚染を介した他者へのHIV感染の危険を減少させるかどうかは証明されていないこと。
6 )無症候性の高ビリルビン血症があらわれることがあるので、本剤服用中に眼球・皮膚の黄染がみられた場合には担当医に報告すること。
7 )本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
(2)本剤の投与により、心電図検査でPR間隔の延長を示すことがある。心伝導障害は無症候性であり、まれな例外を除いて第一度AVブロックに限られていたとの報告がある。臨床試験データが十分でないため、心伝導障害(房室ブロック)のある患者には慎重に投与すること。本剤とPR間隔の延長を起こすおそれのある薬剤を併用する場合は注意すること(「過量投与」、【薬物動態】の項参照)。
(3)本剤にて治療中、UDP-グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)阻害により無症候性の非抱合型ビリルビン上昇が高頻度にあらわれる。この高ビリルビン血症は本剤投与中止により回復する。高ビリルビン血症とともに肝トランスアミナーゼの上昇を認める場合には、他の原因を疑うこと。総ビリルビンの正常範囲の上限より5倍を超える上昇が認められた患者での長期的な安全性データは得られていない。ビリルビン上昇による黄疸・黄疸眼があらわれ、患者の美容上の観点より、本剤から他の抗HIV療法への切り換えを考慮することがある。なお、本剤の減量投与に対する長期的な有効性は確立されていないので、本剤を減量して投与することは推奨されない。
(4)無酸症等著しい低胃酸状態が持続する状態では、本剤の血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある(「相互作用」の項参照)。
(5)本剤の投与による軽・中等度の発疹が報告されている。一般に投与開始3週間以内に斑状又は丘疹状の発疹が生じ、通常は投与継続中に2週間以内で消失する。重度の発疹が発現したり、持続する場合には本剤の投与を中止すること。
(6)他のHIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の患者において糖尿病の発症や悪化及び高血糖が発現し、その中には糖尿病性ケトアシドーシスを伴っていた症例が市販後調査で報告されている。
(7)本剤と乳酸アシドーシスの危険性を増大させることが知られているヌクレオシドアナログを併用投与した患者(妊婦を含む)に、致死性の乳酸アシドーシス及び高乳酸血症が報告されている。
(8)抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(「その他の副作用」の項参照)
(9)本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがあるので、これらの炎症性の症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
3.相互作用
本剤はチトクロームP450(CYP3A4)及びUDP-グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)の阻害作用を有する(【薬物動態】の項参照)。併用禁忌薬剤による治療中に新たに本剤による治療を開始する場合又は本剤による治療中に新たに併用禁忌薬剤による治療を開始する場合には、患者の状態を十分に考慮し、本剤又は併用禁忌薬剤のどちらを投与すべきかを判断すること。
(1)併用禁忌(併用しないこと)
(2)併用注意(併用に注意すること)

4.副作用
副作用の概要(承認時まで)
<未治療のHIV感染患者での試験>
海外において実施された治療経験のないHIV感染患者を対象とした臨床第Ⅱ相試験(AI424-0071)、-0082): n=279)及び第Ⅲ相試験(AI424-0343): n=404)において、本剤と他の抗HIV薬併用投与群の3%以上に報告された中等度又は高度な副作用の主なものは、悪心、頭痛、発疹、腹痛、黄疸等であった。また、グレード3-4の臨床検査値異常の主なものは、総ビリルビン上昇、ALT(GPT)上昇、好中球減少等であった。
<前治療歴のあるHIV感染患者での試験>
海外において実施された前治療歴のあるHIV感染患者を対象とした臨床第Ⅲ相試験(AI424-043:n=144、-045: n=229)において、安全性の評価を行った。中等度又は高度な副作用はこれら前治療歴のある患者と治療経験のない患者で同等であった。
(1)重大な副作用と初期症状
次のような副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1)重度の肝機能障害、肝炎:重度の肝機能障害、肝炎(3%未満)等があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。
2)糖尿病、糖尿病の悪化及び高血糖:糖尿病、糖尿病の悪化及び高血糖があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
3)出血傾向:HIVプロテアーゼ阻害薬にて治療中の血友病患者において突発性の出血性関節症をはじめとする出血事象の増加が報告されている。このような症状があらわれた場合には血液凝固因子を投与するなど適切な処置を行うこと。
(2)その他の副作用
2) 次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注):重度の発疹が発現したり、持続する場合には本剤の投与を中止すること。
a :海外の治療経験のないHIV感染患者を対象とした臨床第Ⅱ、Ⅲ相試験において、本剤を含む併用群(以下に示す)において3%以上に報告された中等度又は高度な副作用及びグレード3-4の臨床検査値異常を「3%以上」の欄に示した。発現率(%)は、両試験での高値の発現率を記載した。
b :海外で実施したすべての臨床第Ⅱ、Ⅲ相試験における本剤を含む併用群(n=1597)において3%未満に報告された重症度が中等度以上の副作用で上記「3%以上」にリストされないものを「3%未満」の欄に示した。
5.高齢者への投与
65歳以上の高齢者への投与については、若年者と比較するのに十分な検討がなされていない(使用経験が少ない)。また、薬物動態試験で高齢者は特に用量調節の必要性はないとされている。
一般に高齢者では生理機能(肝機能、腎機能、心機能等)が低下しており、また、合併症を有し、若しくは他の薬剤を併用している場合が多いので注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦への投与
1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊婦を対象とした適切かつ十分な比較試験が行われていない。]
2)動物実験(ラット、ウサギ)では、母動物の曝露量が臨床用量(400mg/日)と同程度(ウサギ)又は2倍(ラット)で催奇形性は認められなかった。ラットの周産期及び授乳期に投与すると、母動物に毒性が発現する用量(曝露量で臨床用量の2倍に相当)で、産児に体重減少又は体重増加抑制が認められた。母動物の曝露量がヒトに400mg/日投与した場合の曝露量と同程度の用量では、産児に対する影響は認められなかった。
3)本剤投与中に高ビリルビン血症が高頻度に発現することから、分娩前に追加検査及び代替治療の実施を考慮すること。[本剤を妊婦に投与した場合、新生児や乳幼児に生理的高ビリルビン血症の悪化及び核黄疸の発現がみられるか否かは不明である。]
(2)授乳婦への投与
乳汁を介してHIV母児感染の可能性があること及び本剤の乳汁中への移行により乳児に重篤な有害事象が発現する可能性があることから、授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で、乳汁中に移行することが報告されている。本剤がヒトの乳汁中に分泌されるか否かは不明である。]
7.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児に対する安全性は確立していない(小児等への投与については十分な検討がなされていない。新生児、月齢3ヵ月未満の乳児には、核黄疸の発現の危険性があるので本剤を投与しないこと。)。
8.過量投与
本剤のヒトにおける急性過量投与の経験は非常に少ない。本剤29.2gを過量に服用したHIV感染患者において、無症候性の二束ブロック及びPR間隔の延長が報告されている。過量投与時には、黄疸(無症候性の高ビリルビン血症であり、主として非抱合型ビリルビン上昇によるもので、AST(GOT)、ALT(GPT)等の肝機能検査値の変動と無関係)、PR間隔の延長があらわれるおそれがある。
過量投与時の処置には、患者のバイタルサイン及び心電図のモニタリングや臨床症状の観察等の一般的な支持療法を行う。必要に応じて催吐や胃洗浄を行い、未吸収の薬剤を除去する。活性炭を未吸収の薬剤の除去に使用してもよい。本剤の過量投与に対する特異的解毒剤はない。本剤は、主に肝臓で代謝され、蛋白結合率が高いため、透析は薬剤の除去に有効とは考えられない。
9.その他の注意
(1)がん原性、変異原性、生殖毒性:マウス及びラットにおけるがん原性試験において、雌マウスの高用量で良性肝細胞腺種の発生率が上昇したが、ラットではいかなるタイプの腫瘍の発生率にも上昇はみられなかった。雌雄マウスで腫瘍発生率の上昇がみられなかった用量における曝露量は、ヒトに400mg/日を投与した場合の曝露量の約4倍である。高用量群の雌マウスでみられた良性肝細胞腺種の発生率上昇は、肝臓の細胞毒性的な変化(単細胞壊死)に対する二次的な肝細胞増殖の亢進によるものと考えられ、ヒトの臨床治療量における曝露量との関連性は低いと考えられる。
本剤は、ヒト末梢血リンパ球におけるin vitro の染色体異常試験では代謝活性化の有無にかかわらず陽性であった。Ames 試験、ラットにおける小核試験及び不定期DNA合成試験、十二指腸のDNA障害試験(コメットアッセイ)の結果は陰性であった。臨床用量(400mg/日)と同程度(雄ラット)又は2倍(雌ラット)の曝露量で、本剤は、交配、受胎能及び初期胚発生に影響しなかった。
(2)動物における毒性・安全性薬理:マウス、ラット及びイヌで実施した反復投与毒性試験において、本剤投与に関連した肝臓の所見として、血清ビリルビン及び肝酵素の増加、肝細胞の空胞化及び肥大がみられ、雌マウスで肝細胞の単細胞壊死が認められた。肝臓の変化がみられた用量でのマウス、ラット及びイヌにおける本剤の全身曝露量は、ヒトに400mgを1日1回投与した場合の曝露量のそれぞれ0.4~12倍、0.4~4倍及び0.2~7倍であった。雌マウスで単細胞壊死がみられた用量での本剤の曝露量は、ヒトに400 mg を1日1回投与した場合の曝露量の12倍であった。ラット及びイヌでは血清コレステロール及びグルコースの増加がみられたが、マウスではこれらの変化は認められなかった。
In vitro 眼粘膜刺激性試験で、本剤はウシ角膜の混濁度を上昇させたことから、眼に直接接触した場合眼粘膜刺激性を示す可能性がある。
In vitro 安全性薬理試験において、本剤はウサギ・プルキンエ線維の活動電位持続時間に対して弱い延長作用を示し、ナトリウムチャネル電流並びに急速活性化遅延整流カリウム電流(HERGによりエンコードされる)及び緩徐活性化遅延整流カリウム電流を軽度(IC50>30μM)に、カルシウム電流を中等度(IC50=10.4μM)に阻害した。
イヌにおける心電図の変化(洞性徐脈、PR間隔延長、QT間隔延長及びQRS群延長)が最初に実施した2週間経口投与毒性試験で観察された。別途実施したイヌにおける2週間経口投与毒性試験及び9ヵ月間経口投与毒性試験では薬剤に関連した心電図の変化はみられなかった。
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