
※このページは、2011年3月改訂のタキソール®製品情報概要に基づいて作成したものです。
特性
1.新規化学構造を有する抗悪性腫瘍剤です。
タキソール注射液はイチイ科の植物(学名:Taxus baccata)の針葉又は小枝から抽出される10-デアセチルバッカチンIIIを原料として半合成されたTaxoidであるパクリタキセルを主薬成分とする注射液であり、その後、環境への負担を軽減するために、Taxus chinensisの細胞を用いた細胞培養法(PCF法:Plant cell fermentation法)によりパクリタキセル原末を得る方法が開発されました。
2.微小管に対する新しい作用機序を示します(in vitro)。(「体内薬物動態」の項)
タキソール注射液は微小管の蛋白重合を促進し、微小管の安定化・過剰形成を引き起こします。
その結果、微小管の脱重合を起こりにくくし、細胞分裂を阻害して抗腫瘍効果を示します。
3.白金製剤耐性細胞に対しても感受性を示します(in vitro)。(「非臨床試験成績に関する事項」の作用部位・作用機序)
タキソール注射液はシスプラチン感受性ヒト卵巣癌培養細胞(KF1)とその耐性株(KFrb)に対し、ともに細胞増殖抑制効果を示します。
4.3時間点滴静注のA法による国内第II相試験における奏効率は、白金製剤不応・再発例の卵巣癌に対して26.6%(17/64例)、手術不能・前化学療法のない非小細胞肺癌に対して35.0%(42/120例)、進行・再発乳癌に対して33.9%(21/62例)、進行・再発胃癌に対して23.4%(25/107例)、進行・再発子宮体癌に対して30.4%(7/23例)でした。
また、1時間点滴静注のB法による国内第II相試験における奏効率は、進行・再発の乳癌に対して44.9%(31/69例)でした。(臨床(試験)成績に関する事項)
A法による国内第II相試験において、特に白金製剤不応卵巣癌に対しては、26.2%(11/42例)の奏効率が得られています。
5.A法では総症例3,817例(承認時500例、使用成績調査3,169例及び市販後臨床試験148例)における副作用及び臨床検査値異常の発現率は83.3%(3,181例/3,817例)でした。主な副作用は、末梢神経障害(37.6%)、関節痛(23.5%)、筋肉痛(18.7%)及び悪心(21.3%)、嘔吐(15.0%)等の消化器症状であり、その他脱毛(30.5%)、発熱(11.0%)等が認められました(A法における副作用:再審査終了時及び効能追加時の集計)。
また、B法では安全性評価対象181例(承認外の「効能・効果」に対する臨床試験の112例を含む)において、脱毛症(92.3%)、感覚減退(末梢神経障害)(76.8%)、疲労(70.2%)、筋痛(43.1%)、関節痛(39.8%)等が認められました(B法における副作用:用法追加時の集計)。
6.重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状、白血球減少等の骨髄抑制、末梢神経障害、麻痺、間質性肺炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、心筋梗塞、うっ血性心不全、心伝導障害、肺塞栓、血栓性静脈炎、脳卒中、肺水腫、難聴、耳鳴、消化管壊死、腸管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍、重篤な腸炎、腸管閉塞、腸管麻痺、肝機能障害、黄疸、膵炎、急性腎不全、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、播種性血管内凝固症候群(DIC)が報告されています。
7.用量規制因子は、白血球減少(A法48.5%、B法77.9%)、好中球減少(A法43.8%、B法75.1%)などの骨髄抑制であり、これに起因したと考えられる死亡例が認められています(国内副作用:再審査終了時及び効能追加時の集計)。
(警告とその設定理由の頁、禁忌とその設定理由の頁、重要な基本的注意の頁、重大な副作用の頁をご参照ください)
投与の際には頻回に臨床検査を行う必要があります。
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「効能・効果」、「用法・用量」の項、〈効能・効果に関連する使用上の注意〉、〈用法・用量に関連する使用上の注意〉、「使用上の注意」等の詳細は「効能又は効果、用法及び用量」「使用上の注意」の項、副作用の詳細は「安全性」の項をご参照下さい。 |
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