
※このページは、2011年3月改訂のタキソール®製品情報概要に基づいて作成したものです。
開発の経緯
タキソール注射液(一般名:パクリタキセル)は、Taxus brevifolia(イチイ科)の樹皮抽出液から単離された新規化学構造を有する抗悪性腫瘍剤です。その後、環境保護の観点から、イチイ科の植物(学名:Taxusbaccata)の針葉又は小枝から抽出される10-デアセチルバッカチンIIIを原料として半合成により得る製造法が開発され、製造法は天然品抽出法から半合成法に切り替えられました。さらに、半合成法よりも環境への負担を軽減する方法として、Taxuschinensisの細胞を用いた細胞培養法(PCF法:Plant cell fermentation法)によりパクリタキセル原末を得る方法が開発されました。
本剤は、微小管蛋白重合を促進することにより微小管の安定化・過剰形成を引き起こし、微小管の脱重合を起こりにくくし、その結果、細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮する新しいタイプの作用機序を有する抗悪性腫瘍剤です。
臨床試験では、1984年米国において第I相試験が開始され、1992年12月米国及びカナダにおいて承認が得られました。しかし、当初承認を受けた24時間点滴静注は、患者を長時間拘束する等の臨床上の問題が指摘されていたため、NCIカナダでの点滴時間(24時間vs 3時間)の比較試験の結果をもとに、1994年6月米国及びカナダにおいて3時間投与の承認が得られています。
本邦においては、1991年より24時間点滴静注による臨床試験を実施しましたが、上記と同様の理由から1992年12月より3時間点滴静注の臨床試験が行われ、その結果、本剤が卵巣癌に対し有効な薬剤であることが確認され、1997年7月2日に承認を受けました。
また、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、子宮体癌に対しても、第II相試験によって本剤の有効性と安全性が確認され、1999年2月10日に非小細胞肺癌と乳癌、2001年5月に胃癌、2005年5月に子宮体癌の効能・効果の追加、2007年12月に乳癌に用法・用量の追加が承認されました。
※このページは、日本国内の医療関係者を対象に作成したものです。
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