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2006年7月3日
慢性骨髄性白血病治療薬 ダサチニブ(SPRYCEL(スプリセル) TM)
2つの適応症に関してFDAより承認を取得
本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が発表しましたプレスリリースの日本語訳をご参考までにお届けするものです。
ブリストル・マイヤーズスクイブ社(NYSE: BMY/本社: アメリカ・ニューヨーク/CEO: ピーター・R・ドーラン)は、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)が、あらゆる病期(慢性期、移行期、急性(転化)期)の慢性骨髄性白血病(CML)で、グリベック R*(メシル酸イマチニブ)など既存の治療法が無効、または抵抗性となった成人患者を対象に、複数のチロシンキナーゼに対する経口阻害剤ダサチニブ(SPRYCEL(スプリセル)TM)を迅速承認したことを発表しました。SPRYCELの有効性は、血液学的及び細胞遺伝学的な寛解率に基づいています。疾患関連の症状の軽減や生存率の向上などの臨床上のベネフィットを示す比較試験は実施されていません。FDAはまた、既存の治療法が無効または抵抗性となったフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ球性白血病(Ph+ALL)の成人患者を対象として、SPRYCELを承認しました。ブリストル・マイヤーズスクイブ社では、数日中に米国内でSPRYCELの販売を開始する予定です。
SPRYCELは、モデリング研究に基づき、ABLキナーゼの複数の構造に結合すると予測される、初めての経口チロシンキナーゼ阻害剤です。 SPRYCELは、ナノモル濃度でBCR-ABL、SRCファミリー(SRC、LCK、YES、FYN)、c-KIT、EPHA2、及びPDGFR sを阻害します。これらのキナーゼをターゲットとすることにより、CML及びPh+ALL患者の骨髄中での白血病細胞の過剰生成を阻害し、正常な赤血球、白血球、血小板の産生を回復させます。
ハワード・ヒューズ医学研究所の研究員で、オレゴン州ポートランドにあるオレゴン健康・科学大学癌研究所(Oregon Health & Science University Cancer Institute)のジェルドウィン白血病研究所長、ブライアン・J・ドラッカー(Brian J. Druker)(M.D.)は、「SPRYCELにより、前治療に無効または抵抗性となったCMLあるいはPh+ALL患者に、新たな治療オプションが提供されることになった」と述べています。
これまでに知られているイマチニブ抵抗性の機序には、BCR-ABLチロシンキナーゼのタンパク質配列における突然変異や、多剤耐性遺伝子の過剰発現、及びSRCファミリーキナーゼを含む代替のシグナル伝達経路の活性化などがあります。CML患者の多くは、前治療の年数と病期の進行度に応じて、抵抗性発現のリスクが高まります。一般に進行性Ph+ALL患者では、急性転化の患者を含めたCML患者よりも急速(CML患者の10ヵ月間に対し、平均2ヵ月間)に抵抗性が発現します。
ブリストル・マイヤーズスクイブ社CEOのピーター・R・ドーランは、「SPRYCELは、世界中の患者様に革新的な抗悪性腫瘍薬を提供してきた当社の長年の伝統に基づいている。自社で創薬・開発されたSPRYCELは、この困難な病気に対抗できる、有望な抗腫瘍薬パイプラインの主要部分である。患者様のために、革新的な薬剤を発見する取り組みは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が今後もミッションを実践していく上で重要な道筋となる」と話しています。
FDAは、CML(n=409)またはPh+ ALL(n=36)のさまざまな病期にあり、イマチニブに無効または抵抗性の患者を対象とした4つの多施設共同第II相試験における、SPRYCELの有効性(n=445)と安全性(n=911)を評価しました。これらの試験は、5大陸(33か国)で実施されました。
安全性に関する重要な情報
SPRYCELを妊娠中または妊娠の可能性がある女性に投与することは推奨されません。ダサチニブは、胎児毒性を生じる可能性があります。SPRYCELの投与を受けている男性及び女性患者は、適切な避妊法を使用する必要があります。
骨髄抑制: SPRYCELによる治療は、高度なCTCグレード3/4の血小板減少症、好中球減少症、貧血を伴います。これらの発現率は、慢性期のCML に比べ、進行性のCMLまたはPh+ALLでより高くなります。骨髄抑制は、すでに臨床検査値に異常があった患者だけでなく、基底値が正常であった患者でも報告されています。血液検査値(CBC)は、最初の2ヵ月間は毎週、その後は毎月、もしくは臨床上必要な場合に、実施する必要があります。臨床試験においては、骨髄抑制は、投与中断、投与量減量、または投与中止により管理されました。骨髄抑制の持続する患者では、造血成長因子が投与されました。
出血: ダサチニブにより、in-vitroでは血小板機能不全、及び臨床では血小板減少症が発現しました。致死的なものを含む高度の中枢性(CNS)出血は、患者の1%に見られました。高度の消化管出血は、患者の7%に見られ、多くは治療の中断及び輸血を必要としました。その他の高度の出血例は、患者の 4%に発現しました。大部分の出血イベントは、高度の血小板減少症に関連していました。血小板機能を阻害する薬剤や抗凝固薬の投与を必要とする患者では注意が必要です。
体液貯留: 胸水及び心嚢貯留液(それぞれ5%と1%)を含め、患者の9%に重度の体液貯留が認められました。重度の腹水及び全身性浮腫は、それぞれ1% の患者でみられました。重度の肺水腫は、患者の1%でみられました。胸水を示唆する症状(呼吸困難や乾性咳嗽)を呈する患者は、胸部X線検査を受けなければなりません。重度の胸水には、酸素療法や胸腔穿刺が必要になる場合があります。一般に体液貯留は、利尿剤やステロイドの短期使用を含む支持療法によって管理されました。
QT延長: In-vitroデータから、ダサチニブによる心室再分極(QT間隔)の延長が生じる可能性が伺われます。9人の患者では、副作用として QTc延長が見られました。3人の患者(<1%)では、500 msecを超えるQTcFが確認されました。SPRYCELは、QTc延長歴があるか、またはQTc延長の可能性がある患者(低カリウム血症、低マグネシウム血症、あるいは先天性QT延長症候群、及び抗不整脈薬や、QT延長につながるその他の医薬製品、または累積で高用量のアントラサイクリン系薬剤を服用している患者を含む)には慎重に投与しなければなりません。低カリウム血症や低マグネシウム血症は、ダサチニブを投与する前に治療する必要があります。
薬物相互作用: ダサチニブは、CYP3A4の基質です。ダサチニブの濃度を上昇させる可能性がある薬剤は、CYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール、イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル、アタザナビル、インジナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、サキナビル、テリスロマイシン)です。ダサチニブとCYP3A4阻害剤の併用は、避けなければなりません。強力なCYP3A4阻害剤の全身投与が避けられない場合は、毒性の緊密なモニタリングと投与量の減量を検討する必要があります。ダサチニブの濃度を低下させる可能性がある薬剤は、CYP3A4誘発剤(例:デキサメサゾン、フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン、フェノバルビタール)です。これらよりも酵素誘導の可能性が低い代替の薬剤を使用するか、SPRYCEL の増量を検討する必要があります。セント・ジョーンズ・ワート(Hypericum perforatum)は、ダサチニブの血漿中濃度を予期せず低下させる可能性があります。SPRYCELの投与を受ける患者は、セント・ジョーンズ・ワートを摂取してはいけません。
ダサチニブは、時間依存的なCYP3A4阻害剤です。CYP3A4の基質はダサチニブによって血漿中濃度が変化する可能性があり、治療域の狭い CYP3A4の基質(例:アルフェンタニル、アステミゾール、テルフェナジン、シサプリド、シクロスポリン、フェンタニル、ピモジド、キニジン、シロリムス、タクロリムス、麦角アルカロイド(エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン))は、慎重に投与する必要があります。
H2ブロッカーまたはプロトンポンプ阻害剤(例:ファモチジン、オメプラゾール)による長期的な胃酸分泌の抑制は、ダサチニブ暴露量を低下させる可能性があります。したがって、H2ブロッカーまたはプロトンポンプ阻害剤をSPRYCELと併用することは推奨されません。制酸剤の使用を考慮する必要があります。SPRYCELと制酸剤の同時投与は、避けなければなりません。制酸剤治療が必要な場合は、SPRYCEL投与の2時間以上前または後に制酸剤を投与します。
授乳婦:SPRYCELの投与を受けている女性は、授乳してはいけません。
副作用:安全性データには、1つの第I相臨床試験と5つの第II相臨床試験から得られた、白血病患者911例に対するSPRYCELの投与の結果が反映されています。SPRYCELによる治療を受けた患者の大部分では、いずれかの時点で副作用が発現しました。副作用により薬剤の投与が中止された症例は、 CMLの慢性期患者の6%、移行期患者の5%、骨髄性急性期患者の11%、リンパ芽球期のCMLまたはPh+ ALL患者の6%でした。
最も発現頻度の高い副作用は、体液貯留(胸水など)、消化管症状(下痢)、嘔気、腹痛、嘔吐、出血などです。最も重篤な副作用(SAE)は、発熱(9%)、胸水(8%)、発熱性好中球減少症(7%)、消化管出血(6%)、肺炎(6%)、血小板減少症(5%)、呼吸困難(4%)、貧血(3%)、下痢(2%)、及び心不全(3%)です。
グレード3/4のトランスアミナーゼまたはビリルビンの上昇は、すべての病期の患者で報告され、骨髄またはリンパ芽球性のCMLまたはPh+ ALL患者で頻度が高くみられました。トランスアミナーゼまたはビリルビン上昇は、減量または投与中断により管理可能でした。グレード3/4の低カルシウム血症はあらゆる病期のCML患者で報告されましたが、骨髄またはリンパ芽球性のCMLまたはPh+ ALL患者に多く見られました。SPRYCEL治療中にグレード3/4の低カルシウム血症を発現した症例は、経口的なカルシウム補給によって回復しました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について
ブリストル・マイヤーズスクイブ社は、癌と闘う人々が、より長く豊かな人生の実現のために、革新的な抗悪性腫瘍薬の創薬、開発、及び広範な探求に取り組んでいます。ブリストル・マイヤーズスクイブ社では、40年以上前に、癌治療の展望に関する統一ビジョンを策定しました。このビジョンを基に、専門技術を活かし、熱意と決意を持って、抗悪性腫瘍薬の幅広い世界的ポートフォリオを開発してきました。これらは、今日の治療における重要な基礎となっています。ブリストル・マイヤーズスクイブ社医薬品研究所では、数百人の研究員が、現在の癌治療を改善し、より効果に優れた将来の医薬品を見極める方法を研究しています。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、「より長く豊かな人生の実現」をミッションとする、医薬品と関連するヘルスケア製品を扱う世界企業です。
本プレスリリースは、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「先見的ステートメント」を含んでいます。そうした先見的ステートメントは現在の予想に基づくものであり、遅延、転換、変更を来たし、実際の成果・業績を現在の予想と大きく異なるものとする数々の要因をはじめとして、内在的リスクと不確実性を伴います。先見的ステートメントについては一切保証できません。リスクの中でも特に、SPRYCEL(ダサチニブ)がいつ入手可能になるのか、またはこの製品が商業的に成功するかどうかについては、保証できません。本プレスリリースに含まれる先見的ステートメントは、当社の事業に影響を及ぼす多くの不確実性、特に2005年12月31日に終了した年度に関する年次報告書(Form 10-K)及び四半期報告書(Form 10-Q)の注意要因の説明で特定されている不確実性と共に評価する必要があります。当社は、新たな知見、今後の出来事の結果を問わず、一切の先見的ステートメントについて、公に更新する義務を負うものではありません。
* グリベック Rは、ノバルティスAGの登録商標です。
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