2011年8月30日
ELIQUIS®(一般名:apixaban)、第III相ARISTOTLE試験において、ワルファリンに対し、心房細動患者における脳卒中または全身性塞栓症の発症抑制に優越性を示し、大出血の発現率が有意に減少

本資料は米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と米国ファイザー社が、8月28日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に抄訳したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先します。

ARISTOTLE試験により、ELIQUISは世界で初めて全死亡を有意に減少させる経口抗凝固薬であることが示される

ELIQUISを使用した患者群において、標準的治療薬であるワルファリンと比較して、以下の項目が有意に減少。

  • 脳卒中または全身性塞栓症のリスクが21%低下
  • 大出血のリスクが31%低下
  • 死亡率が11%低下

ニュージャージー州プリンストン、ニューヨーク州ニューヨーク-2011年8月28日-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社は本日、少なくとも1つの脳卒中リスク因子を有する心房細動患者18,201人において、脳卒中または全身性塞栓症の発症抑制に関してELIQUIS(一般名:apixaban)をワルファリンと比較、評価する第III相臨床試験であるARISTOTLE試験の主要な結果を発表しました。ARISTOTLE試験において、ELIQUISを使用した場合、脳卒中または全身性塞栓症のリスクが21%、大出血のリスクが31%、死亡率が11%低下しました。試験結果は、本日、フランス、パリで開催された欧州心臓病学会(ESC)のホットラインセッションで発表され、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載されました。

全世界39カ国の1,034施設で実施された本試験は、ノースカロライナ州ダラムのデューク クリニカル リサーチ インスティテュートとスウェーデン、ウプサラのウプサラ クリニカル リサーチ インスティテュートによって実施されました。

ノースカロライナ州ダラムにあるデューク大学医学センター・デューク臨床研究所の内科教授、クリストファー・B・グレンジャー先生は、次のように述べています。「心房細動患者の脳卒中リスクは、高齢化が進む今日では保健上の大きな問題となっています。そのため、apixabanがワルファリンと比較して、脳卒中または全身性塞栓症のリスク、大出血のリスク、および死亡率が低下することを示したARISTOTLE試験の結果に我々は励まされます。」

ELIQUISは、経口投与可能な新規直接的第Xa因子阻害剤であり、血栓を予防・治療する可能性について治験が実施されています。

心房細動は、最も一般的な不整脈の1つです。米国で500万人、EUで600万人以上が心房細動を発症していると推定され、40歳以上の人口では、心房細動の生涯リスクは約4人に1人と推定されています。心房細動における最も医学的に重大な問題は脳卒中リスクが上昇することであり、心房細動の患者は、心房細動のない人と比較して脳卒中リスクが5倍に高まります。米国では、脳卒中全体の15%が、心房細動が原因で発生しています。また、心房細動を原因とする脳卒中は、心房細動が原因ではない脳卒中よりも予後不良となります。心房細動関連の脳卒中は、30日以内の死亡率は24%、1年以内の死亡率は50%と考えられており、その他の原因による脳卒中よりも深刻です。

ARISTOTLE試験について

ARISTOTLE試験(Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation:心房細動における脳卒中その他の血栓塞栓症イベント軽減のためのapixaban)は、1つ以上の追加的な脳卒中リスク因子を持つ心房細動患者18,201人を対象とした多施設共同のランダム化二重盲検比較試験です。被験者のCHADS2リスクスコアは平均2.1でした。患者は、apixaban 5 mg 1日2回投与群(n=9,120)(一部の患者については2.5 mg 1日2回投与)、またはINR(国際標準化比)が2.0~3.0となるように用量調整を行ったワルファリン投与群(n=9,081)のどちらかにランダムに割り付けられました。

試験の主な評価項目は段階的に解析を行っていくことが予め定義されており、脳卒中または全身性塞栓症の評価項目に関する非劣性、脳卒中または全身性塞栓症の評価項目に関する優越性、大出血に関する優越性、全死亡に関する優越性について、apixabanとワルファリンを比較する統計学的な検定がなされました。有効性の解析には、ランダム化されたすべての患者が含まれました(「ITT」解析)。出血の解析は、「on-treatment」解析で行われ、ランダム化されたすべての患者のうち、試験薬の投与を少なくとも1回受けた患者が含まれました。脳卒中または全身性塞栓症の主要有効性評価項目に関し、ELIQUISはワルファリンと比較して非劣性であることが示されました(P<0.001)。ITT解析における年間のイベント発生率はELIQUIS群で1.27%、ワルファリン群で1.60%であり、相対リスクとして21%の低下が示されました。また、副次評価項目として設定したELIQUISのワルファリンに対する脳卒中または全身性塞栓症予防についての優越性も示されました(p=0.01)。脳卒中に対する抑制効果は主に出血性脳卒中に対して見られ、ELIQUIS群では、ワルファリン群と比較して脳卒中の発症リスクが49%低下したことが認められました。また、虚血性あるいは特定不能の脳卒中に対しては、ワルファリン群と比較して8%の発症リスクの低下が認められました。

ARISTOTLE試験の結果から、主要安全性評価項目である大出血(ISTH基準)に関しては、年間のイベント発生率はELIQUIS群で2.13%、ワルファリン群で3.09%であり、相対リスクとして有意に31%の低下を認め、ELIQUISがワルファリンよりも優れることが示されました(p<0.001)。さらに、ELIQUIS群では、大出血または臨床的に重要な非大出血のリスクがワルファリン群と比較して有意に32%低下(p<0.001)、全ての出血イベントの発生率は年間で29%の低下を認め(p<0.001)、頭蓋内出血のリスクは有意に58%低下させることが示されました(p<0.001)。on-treatment解析における致死的な出血(致死的な出血性脳卒中を含む)の発症件数は、ELIQUIS群(10件)の方がワルファリン群(27件)よりも少ない結果でした。

ARISTOTLE試験により、ELIQUISが新規経口抗凝固薬として初めてワルファリンと比較して全死亡を有意に減少させることも示され、主な副次的評価項目として予め設定された全死亡に関してELIQUISはワルファリンに対し有意に(p=0.047)そのリスクを低下させることが示されました。年間の死亡イベントの発生率はELIQUIS群で3.52%、ワルファリン群で3.94%であり、ELIQUIS群では、ワルファリン群と比較して、相対リスクが有意に11%低下しました。

ARISTOTLE試験における有害事象の発生率は、ELIQUIS群(81.5%)とワルファリン群(83.1%)で同等であり、重度の有害事象についても同様でした(ELIQUIS群で35.0%、ワルファリン群で36.5%)。治験薬の投与中止率は、ELIQUIS群(患者の25.3%、死亡による中止は3.6%)がワルファリン群(患者の27.5%、死亡による中止は3.8%)よりも有意に低値でした(p=0.001)。ワルファリン群では、ランダム化から7日間および治験薬中止期間のINR(国際標準化比)値を除き、INRが 2.0~3.0の治療域内にある時間が中央値66.0%、平均62.2%となりました。

全体として、安全性および有効性に関する結果は、地域差、ワルファリンによる治療歴の有無、年齢、性別、腎機能の差、脳卒中リスクの差、およびその他の既定のサブグループ間において一貫した傾向が示されています。

ELIQUISについて

ELIQUISは、apixabanの商品名として、ヨーロッパで承認され、また、米国でも近く申請を予定しております。ELIQUISは、心房細動患者における脳卒中または全身性塞栓症の発症抑制に関しては、承認されている国はありません。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社は最近、ELIQUISが待機的股関節または膝関節置換術後の成人患者における静脈血栓塞栓症(VTE)の発症抑制の適応でEUの27カ国において承認されたことを発表しました。

ELIQUISについては現在、EXPANSE臨床試験プログラムで研究が進められています。同プログラムは、複数の適応および患者群にわたって世界全体でおよそ6万例の患者を対象に実施されており、ARISTOTLEを含め、完了したあるいは実施中の合計9つの第III相ランダム化二重盲検試験から構成されます。ARISTOTLE試験とAVERROES試験を含むELIQUIS心房細動臨床試験プログラムは、ビタミンK拮抗剤(VKA)による治療が不適応と予測または確認された患者を含む心房細動患者約24,000人を対象として、ELIQUISを総合的に評価することを目的としたものです。

ELIQUISについては、心房細動患者における脳卒中の発症抑制と、股関節または膝関節全置換術後の静脈血栓塞栓症(VTE)の発症抑制に加え、VTE治療、急性内科疾患による入院患者のVTE発症抑制に関して第III相試験が進められています。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社の提携について

2007年、ファイザー社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社によって発見された経口抗凝固剤であるapixabanの開発および販売に関し、世界的な提携契約を締結しました。この世界的提携によって、長年にわたるブリストル・マイヤーズ スクイブ社の心血管疾患治療薬の開発および販売の実績と、この領域におけるファイザー社のグローバルな規模および専門知識を結集することになります。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について

ブリストル・マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>、又はツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために

ファイザーでは、あらゆるライフステージにおける健康と福祉の向上を目指し、科学、そして当社のグローバルのリソースを活用しています。ヒト、動物用の医薬品の発見、開発および製造における品質、安全性、価値に関して高い基準を設ける努力を続けています。当社の多角化したグローバルなヘルスケア製品のポートフォリオには、ヒト、動物用の生物学的製剤および低分子化合物、ワクチンと共に、栄養管理製品や世界でも知名度の高い多くの一般消費者向けの製品が含まれています。毎日の生活のなかで、ファイザー社のスタッフは先進国や新興国市場で業務に携わり、今の時代に最も恐れられている病気と闘うため、福祉、予防、治療などの進歩に努めています。世界をリードするバイオ医薬品企業としての責務を果たすべく、当社は医療従事者、政府、そして地域のコミュニティと協力して、世界中で信頼性が高く適切なヘルスケアを支援し拡大していきます。150年以上もの間、ファイザーは当社を信頼してくださる全ての方々のために、少しでもよい結果をもたらすことができるように事業に取り組んで参りました。当社の取り組みの詳細はホームページをご覧ください。 www.pfizer.com(Pfizer Inc)

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述

本ニュースリリースは、製品の開発に関して、1995年私募証券訴訟改革法で定義されるところの将来予測に関する記述を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、apixabanが心房細動患者における脳卒中発症抑制の適応で承認されるという保証はありません。またかかる適応について承認されるとしても、apixabanが製品として商業的に成功するという保証はありません。本ニュースリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズスクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2010年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。