2012年5月11日
「ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が開発中の
daclatasvirとasunaprevirを用いたC型慢性肝炎の経口二剤併用療法により、
治療困難な日本人患者の77%で持続的ウイルス陰性化を達成

本資料は米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、4月19日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に抄訳したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先します。

  • 2剤の経口療法に関するデータから、アルファ/リバビリンに無効、医学的に不適格、または不耐容となった遺伝子型(ジェノタイプ)1bの治療困難な日本人患者においてSVR24を確認
  • 試験により、2011年にAASLDで発表された先行投与コホートの再現性を確認
  • バルセロナで開催された国際肝臓学会議でデータを発表

(ニュージャージー州プリンストン、2012年4月19日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:アメリカ・ニューヨーク/CEO:ランベルト・アンドレオッティ)は本日、開発中のNS5A複製体阻害薬daclatasvirとNS3プロテアーゼ阻害薬asunaprevirを用いた経口直接作用型抗ウイルス剤(DAA)の2剤併用に関する第II相試験の結果を発表しました。この試験では、日本人における治療困難なジェノタイプ1bのC型慢性肝炎(HCV)患者において、77%(33/43例)の投与終了24週目におけるウイルス陰性化(SVR24)が達成されました。対象である治療困難な患者には、無効例(過去にペグインターフェロンアルファおよびリバビリン(アルファ/リバビリン)による治療が奏効しなかった患者)と、アルファ/リバビリンによる治療に医学的に不適格または不耐容となった患者が含まれます。本試験の重篤な有害事象(SAE)として、発熱が3例、心気症が1例、高ビリルビン血症が1例に認められ、高ビリルビン血症が認められた1例においては投与が中止されました。本試験のデータは、スペイン・バルセロナで開催された第47回欧州肝臓学会(EASL)の年次国際肝臓学会議(ILC)の口演で発表され、以前に発表した先行投与コホートの再現性が確認されました。

東京・虎の門病院の鈴木文孝先生は、「現在、ジェノタイプ1のC型肝炎に対して、アルファ/リバビリンと併用せずに投与できる治療薬はありません。そのため、アルファ/リバビリンに不適格または不耐容となった患者さんでは、満たされていない大きなニーズが存在します。ブリストル・マイヤーズ スクイブのdaclatasvirとasunaprevirを用いた今回の第II相試験の結果は、これらの治療困難な患者さんのためにC型肝炎治療薬を研究する我々に希望をもたらします」と述べています。

試験結果

試験の主要評価項目は、投与終了後12週目の時点における持続的ウイルス陰性化(SVR12)を達成した患者の割合でした。本試験では、前治療が無効であったジェノタイプ1bの患者21例からなるグループAと、アルファ/リバビリンに医学的に不適格または不耐容となったジェノタイプ1b患者22名からなるグループBの2つの患者集団が設けられました。全体として、患者の77%(33/43例)がSVR12を達成し、追跡期間を通じて投与終了後24週目までウイルス陰性化を維持しました。SVR24の達成率は、グループAで91%(19/21例)、グループBで64%(14/22例)でした。試験に参加した患者43例のうち、39例が24週間までの投薬を終了しました。本試験では、SVR4を達成した患者の94%(33/35例)が投与終了後24週目までウイルス陰性化を維持し、SVR12を達成した患者の100%(33/33例)が投与終了後24週目の時点でウイルス陰性化を維持していました。

治療中のウイルスの再燃は7.0%(3/43例)、治療後の再発は9.3%(4/43例)で認められました。治療中のウイルスの再燃および治療後の再発は、すべて、アルファ/リバビリン不適格・不耐容患者で発現しました。前治療無効患者では、治療中のウイルスの再燃と治療後の再発はみられませんでした。

5例で重篤な有害事象が認められました。3例でグレード2または3の発熱、1例でグレード2の心気症がみられ、もう1例では、2週目の時点で投与中止につながったグレード4の高ビリルビン血症がみられました。他に、有害事象による投与中止が3例発生しました。そのうち2例では、12週目および16週目の時点でトランスアミナーゼ上昇が認められ、6週目にアルファ/リバビリンを追加した1例では、52週目(評価期間外)にリンパ球減少症が認められました。治験薬投与中に少なくとも3例以上に認められた有害事象は、頭痛(14/43例)、鼻咽頭炎(14/43例)、肝酵素上昇(ALT上昇が12/43例、AST上昇が10/43例)、下痢(11/43例)、および発熱(8/43例)でした。本試験では、死亡例はなく、臨床的に関連性のある心電図パラメータの変化も認められませんでした。

本試験について

本第II相オープンラベル臨床試験(AI447-017)では、過去にアルファ/リバビリン併用療法が無効(アルファ/リバビリン併用療法開始後12週目の時点でHCV RNA < 2 log10 IU/mL)またはアルファ/リバビリン併用療法が不適格あるいは不耐容となったジェノタイプ1bの日本人C型慢性肝炎患者43例に対して、daclatasvir 60 mgを1日1回と、asunaprevir 200 mgを1日2回、24週間投与しました。(無効例10例の先行投与コホートでは、asunaprevir 600 mgを1日2回から投与開始しました。)主要評価項目は、投与終了後12週目におけるウイルス陰性化(HCV RNA < 15 IU/mL)(SVR12)を達成した患者の割合でした。患者は引き続き投与終了後24週目まで追跡を行いました(SVR24)。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の肝疾患への取り組み

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、C型肝炎、B型肝炎、肝がんを含む肝疾患において未だ満たされていない医療ニーズに対応するため、化合物ポートフォリオの進展に努めています。C型肝炎領域のパイプラインには、さまざまな作用機序を持つ化合物ポートフォリオが含まれ、生物学的製剤と低分子抗ウイルス剤の両方に取り組んでいます。これらの化合物は、複数の新規治療法の一つとして患者タイプや地域にあわせてSVR率の向上を目的に開発されています。peginterferon lambda-1aは、C型肝炎の治療薬として第IIb相開発段階にある初のIII型インターフェロンです。ヒトの生体内では、インターフェロンラムダタンパク質はウイルス感染により免疫系で生成され、インターフェロンアルファタンパク質とは別の受容体を経由してシグナル伝達を行います。ラムダ受容体は、体内でアルファ受容体よりも限定された細胞タイプに発現しています。これにより、インターフェロンラムダ受容体の分布が制限され、より対象を絞ってインターフェロン療法を行える可能性があります。

C型肝炎について

C型肝炎ウイルスは、肝臓に感染するウイルスであり、感染した血液または血液製剤に直接接触することによって感染します。世界で推定1億7,000万人がC型肝炎ウイルスに感染しています。C型肝炎感染者の90%までが、ウイルスを体内から排除できず、慢性的に感染しています。慢性C型肝炎患者の20%が肝硬変を発症し、そのうち25%までが肝がんに進行します。C型肝炎を予防するワクチンはありませんが、C型肝炎は治癒が可能な疾患です。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について

ブリストル・マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>、またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述

本ニュースリリースは、医薬品の研究、開発、および販売について、1995年私募証券訴訟改革法で定義されるところの将来予測に関する記述を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、本リリースで説明した化合物が試験的開発段階から全面的な製品開発段階へ移行する、これらの化合物の臨床試験が規制当局への申請の裏づけとなる、あるいは、これらの化合物が規制当局の承認を受ける、また承認を受けたとしても商業的に確実に成功するという保証はできません。本ニュースリリースの将来予測等に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2011年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。