2012年5月11日
「未治療のジェノタイプ2または3のC型肝炎患者を対象とした第IIb相試験において、開発中のpeginterferon lambdaが、peginterferon alfaと同等のSVR24を達成し、インフルエンザ様症状と筋骨格系症状の発現も少ないことを確認

本資料は米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、4月19日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に抄訳したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先します。

  • peginterferon lambdaの治療後における持続的なウイルスの陰性化(SVR)に関する結果を初めて報告
  • peginterferon lambda 180 µgの用量では、peginterferon alfaと比較して、4週目の時点におけるウイスル量の陰性化(RVR ※1)及び治療期間全体を通じて数値的にウイルスの陰性化を達成した患者の割合が高く、投与終了後24週目(SVR24 ※2)まで維持
  • バルセロナで開催された国際肝臓学会議でデータを発表

(ニュージャージー州プリンストン、2012年4月19日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:アメリカ・ニューヨーク/CEO:ランベルト・アンドレオッティ)は本日、ジェノタイプ2または3のC型慢性肝炎の未治療患者118例を対象とした第IIb相EMERGE臨床試験の結果を発表しました。本試験では、開発中のpeginterferon lambda-1a(ラムダ)とリバビリンの併用群において、投与終了後24週目にウイルス陰性化を達成した患者の割合(SVR24)は、peginterferon alfa-2a(アルファ)とリバビリンの併用群と同程度であることが明らかになりました。SVR24を達成した患者の割合は、ラムダ/リバビリン併用群で60.0%~75.9%、アルファ/リバビリン併用群(n=30)で53.3%であり、180 µg用量のラムダ/リバビリン併用群では、75.9%(n=29)でSVR24を達成しました。第III相臨床試験のためにこの用量が選択されました。

本試験で認められた有害事象は、大部分が軽度で自然に回復するものでした。全体として、投与終了後24週までの重篤な有害事象および有害事象の発現率は、全ての投与群を通じて同程度でした。インフルエンザ様症状と筋骨格系症状は、ラムダ/リバビリン併用群で少なくなりました。また、貧血、好中球減少症、血小板減少症の発現率は低く、貧血のためにインターフェロンおよびリバビリンの用量を減少した患者は、ラムダ/リバビリン併用群で少なくなりました。正常値上限(ULN)の5倍を超える高ビリルビン血症は、ラムダ240 µg用量群では2例認められましたが、ラムダ180 µg用量群、ラムダ120 µg用量群、およびアルファ群では0例でした。

ジェノタイプ2または3のC型肝炎患者を対象としたEMERGE試験の結果は、スペイン・バルセロナで開催された第47回欧州肝臓学会(EASL)の年次国際肝臓学会議(ILC)の口演で発表されました。

ドイツ・フランクフルトにあるゲーテ大学病院の内科学部長兼内科学教授のシュテファン・ツォイツェム先生(MD)は、「抗ウイルス療法に関しては、満たされていない大きな医療ニーズが存在しており、治療に起因した有害事象を軽減し、治療期間を短縮しながら、より多くのC型肝炎患者にベネフィットをもたらす治療が求められています。ジェノタイプ2または3のC型肝炎患者においてpeginterferon lambdaとpeginterferon alfaを比較したEMERGE試験の結果から、peginterferon lambdaをリバビリンと併用すると、このような満たされていない医療ニーズに対処できる可能性があることが明らかになりました。また、これらの結果は、peginterferon lambdaの開発を進めるさらなる根拠となります」と述べています。

  • (※1)RVR:4週目の時点でウイルス量陰性化(HCV RNA <25 IU/mL)が達成されること
  • (※2)SVR24:投与終了後24週目の時点でウイルス量陰性化が達成されていること(治癒の証拠)

試験結果

抗ウイルス効果

本試験の主要評価項目は、投与12週目におけるウイルスの陰性化(cEVR ※3)を達成した患者の割合でした。すべての用量のラムダ投与群において、アルファ投与群と同等のcEVRが達成されました(ラムダ240 µg投与群:86.7%、ラムダ180 µg投与群:96.6%、ラムダ120 µg投与群:89.7%、およびアルファ投与群:86.7%)。RVRを達成した患者の割合は、ラムダ投与群がアルファ投与群を上回りました(ラムダ240 µg投与群:66.7%(p<0.05)、ラムダ180 µg投与群:75.9%(p<0.05)、ラムダ120 µg投与群:44.8%、アルファ投与群:30%)。ジェノタイプ2または3のC型肝炎患者において、すべての用量のラムダ投与群において、peginterferon alfaと同等のSVR24が達成されました(ラムダ240 µg投与群:60.0%(n=30)、ラムダ180 µg投与群:75.9%(n=29)、ラムダ120 µg投与群:65.5%(n=29)、アルファ投与群:53.3%(n=30))。

安全性

全体として、投与終了後24週までの重篤な有害事象および有害事象の発現率は、全ての投与群を通じて同程度でした。本試験では有害事象の相対的な発現率は、率ラムダ投与群とアルファ投与群で差が認められました。インターフェロン投与に起因する主な有害事象は、ラムダ投与群の方がアルファ投与群よりも少なくなりました(インフルエンザ様症状(ラムダ240 µg投与群:23.3%、ラムダ180 µg投与群:20.7%、ラムダ120 µg投与群:17.2%、アルファ投与群:40.0%)、筋骨格系症状(ラムダ240 µg投与群:16.7%、ラムダ180 µg投与群:20.7%、ラムダ120 µg投与群:27.6%、アルファ投与群:63.3%)、疲労感などの全身症状(ラムダ240 µg投与群:50.0%、ラムダ180 µg投与群:27.6%、ラムダ120 µg投与群:41.4%、アルファ投与群:53.3%)、750/mm³未満の好中球減少症(ラムダ180 µg投与群:0.0%、n=29、アルファ投与群:27.5%、n=30)、ヘモグロビン値10 g/dL未満または3.4g/dL以上低下の貧血(ラムダ180 µg投与群:6.9%、n=29、アルファ投与群:44.8%, n=30)、100,000/mm3未満の血小板減少症(ラムダ180 µg投与群:0.0%、n=29、アルファ投与群:24.1%、n=30))。その他、精神疾患(ラムダ240 µg投与群:40.0%、ラムダ180 µg投与群:41.4%、ラムダ120 µg投与群:44.8%、アルファ投与群:33.3%)や神経系症状(ラムダ240 µg投与群:36.7%、ラムダ180 µg投与群: 24.1%、ラムダ120 µg投与群:27.6%、アルファ投与群:33.3%)などの有害事象については、全ての投与群を通して同程度でした。

インターフェロンの減量が必要になった患者の割合は、ラムダ240 µg投与群で13.3%、ラムダ180 µg投与群で6.9%、ラムダ120 µg投与群で6.9%、アルファ投与群で26.7%であり、リバビリンの投与中止または減量が必要になった患者の割合は、ラムダ240 µg投与群で23.3%、ラムダ180 µg投与群で6.9%、ラムダ120 µg投与群で24.1%、アルファ投与群で43.3%でした。ヘモグロビン値低下のためにリバビリンの減量が必要になった患者の割合は、ラムダ240 µg投与群で0.0%、ラムダ180 µg投与群で0.0%、ラムダ120 µg投与群で0.0%、アルファ投与群で23.3%でした。

肝酵素上昇(ASTまたはALTが正常値上限(ULN)の10倍超)が認められた患者の割合は、ラムダ240 µg投与群で3.3%、ラムダ180 µg投与群で0.0%、ラムダ120 µg投与群で0.0%、アルファ投与群で0.0%でした。最高用量のラムダ投与群では、アルファ投与群と比較して、総ビリルビン値もULNの5倍以上上昇しました(ラムダ240 µg投与群で6.7%、ラムダ180 µg投与群で0.0%、ラムダ120 µg投与群で0.0%、アルファ投与群で0.0%)が、ラムダの用量変更または投与中止後すべて回復しました。

  • (※3)cEVR:12週目の時点でウイルス量陰性化が達成されること

第IIb相EMERGE試験について

EMERGE試験は、未治療のジェノタイプ1、2、3、または4のC型慢性肝炎患者においてpeginterferon lambda-1aを評価する多施設共同の2部構成による第II相ランダム化実薬対照比較試験です。EMERGE試験の第1部は第IIa相試験であり、この結果は、以前に2010年米国肝臓病学会(AASLD)の肝臓学会議で発表されました。

EMERGE試験の第2部は、現在進行中であり、ラムダとリバビリンの併用投与時における安全性、有効性、および薬物動態をアルファとリバビリンの併用投与した場合と比較して評価することを目的とした盲検化第IIb相試験です。本試験では、肝硬変を発症していないC型慢性肝炎患者526例がラムダ240 µg投与群、ラムダ180 µg投与群、ラムダ120 µg投与群、およびアルファ180 µg投与群の4群にランダムに割り付けました。526例のうち、ジェノタイプ2または3のC型慢性肝炎患者118例がラムダ240 µg投与群(30例)、ラムダ180 µg投与群(29例)、ラムダ120 µg投与群(29例)、およびアルファ180 µg投与群(30例)の4群にランダムに割り付けられました。これらの118例に関する結果を、本日、2012年国際肝臓学会議で発表しました。

ジェノタイプ1、2、3、および4に対する第IIb相試験のRVRおよびcEVRの結果は、すでに2011年の国際肝臓学会議で発表されています。本試験は、ジェノタイプ2および3の患者では24週間にわたって行われ、ジェノタイプ1および4の患者では48週間にわたって行われる予定です。試験の主要評価項目は、cEVRを達成した患者の割合で、HCV RNAおよび安全性が48週間(投与24週間と、投与終了後24週間)にわたって評価されました。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の肝疾患への取り組み

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、C型肝炎、B型肝炎、肝がんを含む肝疾患において未だ満たされていない医療ニーズに対応するため、化合物ポートフォリオの進展に努めています。C型肝炎領域のパイプラインには、さまざまな作用機序を持つ化合物ポートフォリオが含まれ、生物学的製剤と低分子抗ウイルス剤の両方に取り組んでいます。これらの化合物は、複数の新規治療法の一つとして患者タイプや地域にあわせてSVR率の向上を目的に開発されています。peginterferon lambda-1aは、C型肝炎の治療薬として第IIb相開発段階にある初のIII型インターフェロンです。ヒトの生体内では、インターフェロンラムダタンパク質はウイルス感染により免疫系で生成され、インターフェロンアルファタンパク質とは別の受容体を経由してシグナル伝達を行います。ラムダ受容体は、体内でアルファ受容体よりも限定された細胞タイプに発現しています。これにより、インターフェロンラムダ受容体の分布が制限され、より対象を絞ってインターフェロン療法を行える可能性があります。

C型肝炎について

C型肝炎ウイルスは、肝臓に感染するウイルスであり、感染した血液または血液製剤に直接接触することによって感染します。世界で推定1億7,000万人がC型肝炎ウイルスに感染しています。C型肝炎感染者の90%までが、ウイルスを体内から排除できず、慢性的に感染しています。慢性C型肝炎患者の20%が肝硬変を発症し、そのうち25%までが肝がんに進行します。C型肝炎を予防するワクチンはありませんが、C型肝炎は治癒が可能な疾患です。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について

ブリストル・マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>、またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述

本ニュースリリースは、医薬品の研究、開発、および販売について、1995年私募証券訴訟改革法で定義されるところの将来予測に関する記述を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、本リリースで説明した化合物が試験的開発段階から全面的な製品開発段階へ移行する、これらの化合物の臨床試験が規制当局への申請の裏づけとなる、あるいは、これらの化合物が規制当局の承認を受ける、また承認を受けたとしても商業的に確実に成功するという保証はできません。本ニュースリリースの将来予測等に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2011年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。