大腸がんを生きる仲間

癒しの音楽紀行

TOMAさんは、私にとって父のような、兄貴のような、家族のような大事な人です。

石塚まみ氏 Profile
東京生まれ。国立音楽大学ピアノ科卒業。中学校教師を経て、ボーカリスト、ピアニストとして音楽活動を展開。苫米地義久氏の「音楽紀行シリーズ」にピアニストとして参加する他、二人でToma's Duoとしてライブ活動を行っている。
詳細は、サイトへ。
http://www013.upp.so-net.ne.jp/maming/

 TOMAさん(苫米地さんのニックネーム、以下同)とは、自主製作映画の主題歌の仕事で出会いました。
 私は歌手として、TOMAさんは作曲家として紹介されたので、私はTOMAさんを作曲家だと、TOMAさんは私を歌手だと思っていました。バンドの練習に誘われたりするうちに、TOMAさんはサックス、私はピアノがそれぞれ本業だとわかり、それからは、サックス奏者とピアニストとして一緒に音楽活動をするようになりました。

 TOMAさんは、もともとトイレが近く、よく「腹が、腹が」と言っていました。手術の半年くらい前でしょうか。「血が便に混じる」と言うようになり、顔色もなんだか悪いし、私は「検診を受けたら?」と勧めていました。演奏前に「トイレ、トイレ」「腹が、腹が」とやられると、私の方も演奏に集中できないので、ちゃんと診療を受けて欲しいと思っていたのです。
 その年末にジャムセッションの打ち上げがあり、TOMAさんに「その後、どう?」と聞いてみました。てっきり、もう受診してくれているものだとばかり思っていたのですが、ほろ酔い加減で上機嫌のTOMAさんの口から出た言葉は、唖然、愕然とするものでした。
「血が便に混じるのは、背骨が曲がっているから」ですと?
「血便は、整体に行きゃ治る」ですと?
 その瞬間、私の中で何かがぶち切れました。
「いい加減なことを言うなー! ふざけるなー!!」
 気がつくと、自分でも考えられないくらいの大声で怒鳴っていました。興奮していたのでしょうね。それから、宇田川町の坂道から東横線の渋谷駅までノンストップで走りました。あのとき、ぶち切れたのは、なんだろう。私が叫んでいるというより、神が降りてきたという感じでした。神様が私の身体を借りて「いい加減に受診しろ」って、促したのかもしれません。
 TOMAさんは、私にとって父のような、兄貴のような、家族のような大事な人です。今、こうして音楽活動を続けていられるのも、TOMAさんとの出会いがきっかけだし、いろいろ教えてもらったことに感謝しています。そんな大事な人に、病気を放置したせいで命を落としてもらいたくない――大事な人だからこそ、ぶち切れたのかもしれません。

 TOMAさんには、これからは、自分の健康管理をちゃんとして欲しいですね。そして、TOMAさんにしかできない音楽活動を続けていってもらいたいです。今は「ヒーリング音楽の苫米地義久」というイメージですが、実は聴いている人がお腹を抱えて笑っちゃうような楽しい歌も作る人なのです。みているだけでおもしろいTOMAさんには、そうした弾き語りでも、新境地を開いていって欲しいと思います。私もTOMAさんとでないとできない音楽を、これからも続けてゆければと願っています。
 TOMAさん、くれぐれも、ご自身の身体の自己管理を、よろしくお願いしますね。これからも長く一緒に、TOMAさんと音楽活動を続けていきたいので。