
※このページは、2010年12月作成のアービタックスR製品情報概要に基づいて作成したものです。
開発の経緯
アービタックス®注射液100mg(一般名セツキシマブ(遺伝子組換え): 以下、アービタックス)は、世界初の「ヒト上皮細胞増殖因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor:EGFR)を標的とする免疫グロブリンG(1 IgG1)サブクラスのヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体」である。
EGFRは上皮細胞などに発現が認められる膜貫通型の受容体であり、リガンドとの結合によりEGFRチロシンキナーゼが活性化され、細胞内シグナル伝達を介して細胞増殖、分化などに関与する。正常組織以外にも、結腸・直腸癌をはじめ多くの固形癌で発現が確認されており、その発現は予後不良、生存率の低下または転移率の上昇と相関することが知られている。
アービタックスは、米国California大学で開発された、ヒト EGFRと結合するモノクローナル抗体をもとに、遺伝子工学技術によってヒト/マウスキメラ化し創製された薬剤である。in vitro 試験においてEGFRに高い親和性で結合し細胞増殖を抑制すること、また担癌動物を用いた in vitro 試験においても腫瘍の増殖及び転移を阻害し、薬理学的に有効であることが示された。
海外で実施されたイリノテカン塩酸塩水和物を含む化学療法に不応となった、EGFR陽性の転移性結腸・直腸癌患者に対する第Ⅱ相臨床試験、さらに、イリノテカン塩酸塩水和物の治療歴がなく、フッ化ピリミジン系薬剤とオキサリプラチンによる一次治療が無効となった、EGFR陽性の転移性結腸・直腸癌患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験において、アービタックスとイリノテカン塩酸塩水和物の併用投与によって奏効率や無増悪生存期間における有意な改善が確認された。
またフッ化ピリミジン系薬剤の治療歴があり、イリノテカン塩酸塩水和物を含む化学療法及びオキサリプラチンを含む化学療法が無効あるいは適応とならないEGFR陽性の転移性結腸・直腸癌患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験では、Best Supportive Care群に比べアービタックスを使用した群では有意に生存期間、無増悪生存期間を延長する結果が得られた。
これらの臨床試験の結果から、アービタックスの有用性が認められ、結腸・直腸癌に対し79ヵ国で承認されている(2010年4月時点)。
本邦においては、これらの臨床試験結果および国内第Ⅱ相臨床試験結果をもとに、2008年7月に「EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に対する治療薬として承認された。
その後、海外で実施された、化学療法の前治療歴のないEGFR陽性、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者に対する臨床試験において、FOLFIRIにアービタックスを併用することで、奏効率及び無増悪生存期間は、有意に延長することが明らかとなった。
また本試験では、KRAS野生型の群でその臨床効果は顕著であることが示され、既報の臨床試験においても同様の結果が認められた。これらの結果を受けて、欧州では2008年7月よりKRAS野生型への一次治療への適応が追加された。また、本邦においても、2010年3月より一次治療への投与が可能となり、添付文書の<効能・効果に関連する使用上の注意>に「本剤の使用に際してはKRAS遺伝子の変異の有無を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと」と追記されている(2010年3月改訂)。
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※このページは、日本国内の医療関係者を対象に作成したものです。
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