2010年9月30日
Dapagliflozinをグリメピリドに追加投与することにより、2型糖尿病患者のグリコヘモグロビン(HbA1c)を改善

~24週間投与の第III相臨床試験より~

本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と英国アストラゼネカ社が、9月20日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に再編集したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先します。

(ストックホルム、2010年9月20日)-本日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:米国ニューヨーク州、CEO:ランベルト・アンドレオッティ)とアストラゼネカ社(本社:イギリス・ロンドン、CEO:デビッド・ブレナン)は、開発中のdapagliflozinに関する第Ⅲ相ランダム化二重盲検臨床試験の結果を発表しました。この結果、dapagliflozinを経口血糖降下薬グリメピリド(スルホニル尿素薬)に追加投与することにより、グリメピリドとプラセボ併用群に比べ、2型糖尿病患者のグリコヘモグロビン(HbA1c)値が有意に改善されることが示されました。また、副次的有効評価項目である第24週時点の体重、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)、および空腹時血糖値(FPG)のベースラインからの変化においても、プラセボとグリメピリド併用群と比べ、dapagliflozinとグリメピリド併用群において改善が認められました。目標とするHbA1c 7%未満を達成した患者の割合は、プラセボとグリメピリド併用群に比べ、dapagliflozinとグリメピリド併用群の方が高い傾向にありました。本試験結果は、第46回欧州糖尿病学会(EASD:European Association for the Study of Diabetes)で発表されました。

治験薬に関連した有害事象は、両群で概して同程度に報告されましたが、性器感染を示唆する兆候、症状、その他の報告は、グリメピリドとプラセボ併用群に比べdapagliflozin群で高頻度に認められましたが、尿路感染については、この傾向はみられませんでした。

Dapagliflozinは、ファーストインクラスになりえるナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤で、1日1回投与の経口血糖降下薬として、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社が共同開発を進めており、現在第Ⅲ相臨床試験を実施中です。SGLT2阻害剤は、インスリンの機序とは独立して作用し、グルコースおよび付随するカロリーの尿中への排泄を促進することによって、血糖値を低下させます。

本臨床試験の治験責任医師でポーランド・ザブジェにあるシレジア医科大学内科疾患糖尿病・腎臓学部のクシシュトフ・ストロエク教授は、「2型糖尿病では、患者さんの血糖コントロールが徐々に困難になることが多く、追加の薬物投与による治療強化が必要になることがあります。これまでに公表されたdapagliflozinの第Ⅲ相臨床試験結果に加え、今回の試験結果により、一般的な経口血糖降下薬であるグリメピリドにdapagliflozinを追加することで、2型糖尿病患者のHbA1c、FPG、およびPPGで評価した血糖コントロールが改善されることが示されました」と述べています。

本臨床試験について

この24週間投与の多施設共同ランダム化プラセボ対照二重盲検第Ⅲ相臨床試験は、HbA1c値のベースラインからの変化量でみた2型糖尿病患者の血糖コントロール改善において、グリメピリド(4 mg/日)にdapagliflozin(1日当たり2.5 mg、5 mg、または10 mg)を追加投与した際の有効性をプラセボと比較して評価するために計画されたものであり、さらに24週間の二重盲検延長期間を含みます。本試験には、グリメピリド単剤の最大推奨用量の少なくとも半分を投与しても血糖コントロールが不十分(ベースラインのHbA1c値7.0%以上10%以下)である2型糖尿病患者597例(18歳以上)が参加しました。組み入れられた患者はdapagliflozin 2.5 mgとグリメピリドの併用、dapagliflozin 5 mgとグリメピリドの併用、dapagliflozin 10 mgとグリメピリドの併用、またはプラセボとグリメピリドの併用の4群のいずれかに均等に無作為割付されました。

本試験の主要評価項目は、第24週時点におけるベースラインからのHbA1c変化量を評価することでした。主な副次的評価項目は、第24週時点における体重のベースラインからの変化、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)における変化、HbA1c 7%未満を達成した患者の比率、および空腹時血糖値(FPG)の低下でした。

試験結果

HbA1cのベースラインからの変化に関しては、プラセボとグリメピリド併用群では0.13%低下したのに対し、dapagliflozinとグリメピリド併用群では、dapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群でそれぞれ0.58%、0.63%、0.82%と、用量に応じて有意に低下しました(3つの介入群いずれについても、p<0.0001)。

第24週時点の体重のベースラインからの変化に関しては、プラセボとグリメピリド併用群では0.72 kg減少したのに対し、dapagliflozinとグリメピリド併用群では、dapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群でそれぞれ1.18kg、1.56kg、2.26kgと、より大幅な体重減少が達成されました(dapagliflozin 5 mg群についてはp<0.01、10 mg群についてはp<0.0001、2.5 mg群については統計学的有意差なし)。

OGTTのベースラインからの変化に関しては、プラセボとグリメピリド併用群では、6.0 mg/dL低下したのに対し、dapagliflozinとグリメピリド併用群では、dapagliflozin 5 mg群で32.0 mg/dL、10 mg群で34.9 mg/dLと、OGTTがベースラインから有意に低下しました(dapagliflozin 5 mg群についてはp<0.01、10 mg群についてはp<0.0001)。Dapagliflozin 2.5 mg群では、OGTTが37.5 mg/dL低下しました。

第24週時点のHbA1c値7%未満を達成した患者数は、プラセボとグリメピリド併用群の13.0%に対し、dapagliflozinとグリメピリド併用群では、dapagliflozin 5 mg群で30.3%、10 mg群で31.7%と、より多くの患者がHbA1c値7%未満を達成しました(dapagliflozin 5 mg群についてはp<0.01、10 mg群についてはp<0.0001)。Dapagliflozin 2.5 mg群では、26.8%の患者がHbA1c値7%未満を達成しました。

第24週時点の空腹時血糖値(FPG)に関しては、プラセボとグリメピリド併用群の2.0 mg/dL低下に対し、グリメピリド併用のdapagliflozin 5 mg群では21.2 mg/dLの低下、10 mg群では28.5 mg/dLの低下となり、グリメピリド併用のdapagliflozin 5 mg群および10 mg群で有意な改善がみられました(両群について、p<0.0001)。Dapagliflozin 2.5 mg群では、FPGが16.8 mg/dL低下しました。

第24週時点における有害事象発生率は、プラセボとグリメピリド併用群の47.3%に対し、グリメピリドと併用したdapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群では、それぞれ51.9%、48.3%、50.3%でした。最も一般的な有害事象の発生率は、グリメピリドに追加投与した場合のdapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群、プラセボ群の順に、背部痛が1.9%、2.1%、4.6%、2.7%、上気道感染が3.2%、4.1%、4.6%、2.7%、気管支炎が1.3%、2.1%、3.3%、0.7%でした。ほとんどの症例において、有害事象は軽度から中等度でした。有害事象による試験中止率は、プラセボとグリメピリド併用群の2.1%に対し、グリメピリドと併用したdapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群では、それぞれ3.2%、3.4%、2.6%でした。

尿路感染と性器感染を示唆する有害事象は、MedDRA PT(安全性情報に用いる医学辞書におけるカテゴリー)に基づいて分析されました。尿路感染を示唆する兆候、症状、その他の報告があった患者の比率は、全介入群で同程度であり、プラセボとグリメピリド併用群の6.2%に対し、クリメピリドを併用したdapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群では、それぞれ3.9%、6.9%、5.3%でした。尿路感染による試験中止は1例でした。性器感染を示唆する兆候、症状、その他の報告があった患者の比率は、グリメピリドを併用したdapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群、プラセボ群の順に、それぞれ3.9%、6.2%、6.6%、0.7%でした。

重篤な有害事象は、プラセボとグリメピリド併用群の4.8%に対し、グリメピリドを併用したdapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群では、それぞれ7.1%、6.9%、6.0%でした。

第24週時点の低血糖症に関連するイベントの発症率は、プラセボとグリメピリド併用群の4.8%に対し、グリメピリドを併用したdapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群でそれぞれ7.1%、6.9%、7.9%でした。

血圧への影響は、探索的評価項目として検討されました。座位での収縮期血圧の変化は、プラセボとグリメピリド併用群の1.2 mmHg低下したのに対し、dapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群では、それぞれ4.7 mmHg、4.0 mmHg、5.0 mmHg低下し、座位での拡張期血圧の変化は、プラセボとグリメピリド併用群の1.4 mmHg低下に対し、dapagliflozin 2.5 mg群、5 mg群、10 mg群では、それぞれ1.1 mmHg低、1.7 mmHg、2.8 mmHg低下しました。

2型糖尿病について

2型糖尿病は、膵臓β細胞の機能が低下し、インスリンの分泌が減少して、血糖値上昇につながる慢性の進行性疾患です。持続性の高血糖は、時間とともにインスリン抵抗性を悪化させ、β細胞の機能をさらに低下させます。

多くの2型糖尿病患者は、肥満や高血圧などの合併症を併発します。治療中の患者の半数近くが現在の血糖降下療法では十分に血糖コントロールがされておらず、複数のパラメータについてコントロールされている患者はさらに少なく、重大なアンメット・ニーズが存在しています。従来の2型糖尿病の治療では、主にインスリンに依存した機序に重点が置かれていました。インスリンとは独立して作用するアプローチは、2型糖尿病患者が血糖値をコントロールする上での選択肢の一つとなる可能性があります。

SGLT2阻害剤について

腎臓におけるSGLT系は、全身の血糖バランスに関して主要な役割を担います。通常、腎臓では、1日に最大180gのグルコースが濾過され、実質的にそのすべてが再吸収されて血中に戻されます。グルコースの再吸収は、腎臓の近位尿細管でSGLT系を通じて行われます。インスリン非依存性の作用機序でSGLT2を選択的に阻害することによって、グルコースおよび付随するカロリーの尿中への排泄を促進し、血糖値を低下させます。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社の提携について

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社は2007年1月、2型糖尿病の特定の治験薬を研究、開発、そして販売する提携を開始しました。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社の糖尿病に関する提携は、世界中の患者さんのケアに向けて、患者さんの治療予後を改善し、2型糖尿病の治療に対する新たなビジョンを創り出すことを目的としています。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>または、ツイッターでhttp://twitter.com/bmsnewsをご覧ください。

アストラゼネカ社について

アストラゼネカは、イノベーション指向かつバイオ医薬品も含むグローバル製薬企業であり、主に医療用医薬品の創薬、開発およびマーケティング・営業活動に従事しています。アストラゼネカは消化器・循環器・ニューロサイエンス・呼吸器・オンコロジーおよび感染症領域におけるリーディングカンパニーで、2009年の全世界の売上は328億ドル、米国での売上は148億ドルでした。詳細については、Webサイト(www.astrazeneca.com)をご覧ください。

Dapagliflozinは、現在日本で第II相臨床試験を実施中です。

将来予測等に関する記述

本ニュースリリースは、製品の開発に関して、1995年私募証券訴訟改革法で定義されるところの将来予測に関する記述を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関する記述は保証できるものではありません。特に、dapagliflozinが規制上の承認を受ける、また承認を受けたとしても商業的に確実に成功するという保証はできません。本ニュースリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2009年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事の結果を問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。

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