2012年6月13日
関節リウマチ治療薬オレンシア®(一般名:アバタセプト)皮下注(SC)製剤と
アダリムマブとの初の直接比較試験(AMPLE)において
中等度から重度の関節リウマチ患者に対し、同様の有効性を示す

本資料は米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、6月6日(米国現地時間)に発表した英文プレスリリースを和文抄訳したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先しますことご留意ください。

日本国内では、オレンシア ®(一般名:アバタセプト)皮下注(SC)製剤は、第III相臨床試験の段階にあり、未承認です。日本ではオレンシア®点滴静注用250mgが2010年7月に製造販売承認され、9月に販売開始されています。国内では海外とは事情が異なることをご留意の上、安全性情報等の詳細は米国オフィシャルサイト(こちらをクリック<米国本社のウェブサイト(英語)>)をご覧ください。

  • 投与開始1年後のACR20%改善を非劣性評価項目とした本試験において、アバタセプトはアダリムマブと同様の有効性を示した
  • ACR20%、50%、および70%改善率及びX線画像で評価した関節の構造的損傷の防止の12カ月間の推移はアバタセプトとアダリムマブで全般的に同様の結果であった
  • AMPLE試験は、関節リウマチ成人患者を対象として、メトトレキサート併用下に2つの生物学的製剤を直接比較した初の試験です。

(ニュージャージー州プリンストン、2012年6月6日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:アメリカ・ニューヨーク/CEO:ランベルト・アンドレオッティ)は本日、生物学的製剤の投与を受けたことのない中等度から重度の関節リウマチ患者646人を対象に、オレンシア®(一般名:アバタセプト)の皮下注(SC)製剤とヒュミラ®(一般名:アダリムマブ)をメトトレキサート(MTX)併用下で直接比較した試験であるAMPLE(Abatacept Versus Adalimumab Comparison in Biologic-Naïve)試験の結果を発表しました。AMPLE試験では、主要評価項目である投与開始1年後の米国リウマチ学会基準20%改善率(ACR20%改善率)のアバタセプト群のアダリムマブ群に対する非劣性が証明されました。1年後のACR20%改善率はアバタセプトとMTXの投与群及びアダリムマブとMTXの投与群のそれぞれで64.8%と63.4%と同様の有効性が認められました。

1年目の時点では、より厳しい有効性基準であるACR50%、70%、および著明な臨床的反応(Major Clinical Response/ACR70%の6か月以上の継続)、DAS28-CRPが評価され、両群で全般的に同様であることが明らかになりました。改善度とX線画像で評価した関節の構造的損傷の防止効果は、12カ月間にわたって両群で全般的に同様でした。重要な副次評価項目である注射部位の反応の発現率は、アバタセプトとMTXの投与群の方が、統計的に有意に少数でした。有害事象による試験中止は、アバタセプト+MTX投与群で3.5%、アダリムマブ+MTX投与群で6.1%でした。重篤な有害事象による試験中止は、アバタセプト+MTX投与群で1.3%、アダリムマブ+MTX投与群で3%でした。軽度から中等度の自己免疫疾患の有害事象は、アバタセプト+MTX投与群で3.1%、アダリムマブ+MTX投与群で1.2%でした。その他の安全性に関する報告では、12カ月目の時点で同様でした。AMPLE試験の結果は、本日の欧州リウマチ学会(EULAR)で発表されました。

AMPLE試験の治験責任医師を務めたコロラド大学のマイケル・シフ医師(M.D., M.A.C.R)は、「AMPLE試験の結果から、治療反応性を含む、アバタセプトの皮下注(SC)製剤とアダリムマブの有効性を比較した重要な情報が得られました。今回の結果により、主要評価項目であるACR20%において両製剤が同様であることが明らかとなり、ACR50%および70%についても同様の傾向を示すデータが得られました」と述べています。

ライデン大学医療センターのリウマチ学教授であるバン・デル・ハイジ教授(M.D. Ph.D.)は、「AMPLE試験は、X線画像で評価する疾病進行の評価項目を組み込んだ、生物学的製剤初の直接比較試験であり、MTXとの併用で、アバタセプトの皮下注(SC)製剤とアダリムマブを投与した患者における、びらんと関節裂隙狭小化に関する重要なデータをもたらしました」と話しています。

AMPLE試験について

AMPLE試験は、12カ月目の有効性の主要評価項目(ACR20%での非劣性)を含む、24カ月間にわたる多国籍の第IIIb相ランダム化評価者盲検試験です。本試験には、生物学的製剤の投与を受けたことがなく、MTXで効果不十分な中等度から重度の関節リウマチ成人患者646人が参加しました。参加者は、疾患活動性によって階層化され、318人がオレンシア®皮下注(SC)製剤(一般名:アバタセプト)とMTXの投与群、328人がアダリムマブとMTXの投与群にランダムに割り付けられ、それぞれ、MTXとの併用で、125 mgのオレンシア®皮下注(SC)製剤を1週間に1回投与(静脈内投与なし)、または、40 mgのアダリムマブを2週間に1回投与する試験を行いました。主要評価項目は、12カ月目の時点でのACR20%改善率によって、アダリムマブ+MTX投与群に対するアバタセプト+MTX投与群の非劣性を判定することでした。副次的評価項目には、注射部位の反応や、バン・デル・ハイジ修正後トータルシャープスコア(mTSS)法を使用したX線画像で評価した関節の構造的損傷の防止効果、安全性、継続率があります。

試験結果詳細

ランダム化され、薬剤を投与された646人の患者のうち、オレンシア®皮下注(SC)製剤(一般名:アバタセプト)+MTX投与群の86.2%(318人中274人)とアダリムマブ+MTX投与群の82%(328人中269人)が、12カ月間の試験を完了しました。1年目の時点でのACR20%改善率では、アバタセプト+MTX投与群で64.8%(95%信頼区間(CI):59.5, 70.0)、アダリムマブ+MTX投与群で63.4%(95% CI:58.2, 68.6)でした。両群の推定差(95% CI)は1.8(-5.6, 9.2)であり、アダリムマブ+MTX投与群に対するアバタセプト+MTX投与群の非劣性が裏づけられました。治療反応性は、ACR20%、50%、および70%について、1年目の終わりまで両群で全般的に同様でした。ACR20%改善率では、4週間目の時点ではアバタセプト+MTX投与群で42.5%、アダリムマブ+MTX投与群で47.6%であり、1年目の終わりまで同様でした(アバタセプト+MTX投与群で64.8%、アダリムマブ+MTX投与群で63.4%)。1年目の時点でのACR50%およびACR70%に達成した患者の割合については、アバタセプト+MTX投与群(ACR50%:46.2%、ACR70%:29.2%)とアダリムマブ+MTX投与群(ACR50%:46%、ACR70%:26.2%)で全般的に同様でした。アバタセプト+MTX投与群とアダリムマブ+MTX投与群では、X線画像で見る疾病進行の抑制が全般的に同様であり、12カ月目の時点で、mTSS法で評価したX線画像上の進行度を示すスコアの、一年間の平均変化は0.58対0.38、びらんスコアは0.29対-0.01、関節狭小化は0.28対0.39でした。

注射部位の反応は、アバタセプト+MTX投与群の方がアダリムマブ+MTX投与群よりも大幅に少数でした(3.8%対9.1%、95% CI:[-9.13, -1.62]、p=0.006)。その他の安全性アウトカムは、アバタセプト+MTX投与群とアダリムマブ+MTX投与群で、有害事象発生率(34.9%対39.9%)、重篤な有害事象(10.1%対9.1%)、全感染率(63.2%対61.3%)、重篤な感染症(2.2%対2.7%)、悪性腫瘍(1.6%対1.2%)と同様でした。有害事象による試験中止率は、アバタセプト+MTX投与群で3.5%、アダリムマブ+MTX投与群で6.1%でした。重篤な有害事象による試験中止率は、アバタセプト+MTX投与群で1.3%、アダリムマブ+MTX投与群で3%でした。アバタセプト+MTX投与群の投与群では重篤な感染症が試験中止につながった例は認められず、アダリムマブ+MTX投与群では9例中5例が試験中止につながりました。軽度から中等度の自己免疫性事象は、アバタセプト+MTX投与群で3.1%、アダリムマブ+MTX投与群で1.2%でした。

関節リウマチについて

関節リウマチは、自己免疫疾患の一つで、関節滑膜を主な病変とする慢性の炎症疾患です。主な症状は、手足の関節の痛みや腫れで、関節滑膜の炎症が進行・持続すると関節破壊が起こり日常生活に支障が生じるような高度な機能障害に至り、生活の質(QOL)が悪化します。関節リウマチは、現在、日本国内では60~70万人の患者さんがいると推計されています。30歳代から50歳代で発症する人が多く、患者さんの3分の2以上は女性であることが知られています(※2)。関節リウマチに関する詳しい情報は、「リウマチTea room (http://www.bms.co.jp/ra/index.html)」をご覧ください。

  • (※2) 社団法人日本リウマチ友の会 『2005年リウマチ白書』

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について

ブリストル・マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>、またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。